国民民主党代表の玉木雄一郎氏国民民主党代表の玉木雄一郎氏 Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

連日、高市早苗氏の話題でマスコミはもちきりだ。日々の世間話やSNSの投稿に、これまで以上に政治の話題が上ることも増えている。政治ニュースに「if」を考えても意味がないとは思うけれど、もしかしたら今、高市氏の代わりにその座についていたかもしれない政治家が、国民民主党代表の玉木雄一郎氏だ。時間を少し巻き戻し、玉木雄一郎氏の“人気”についてつれづれと考えてみたい。(コラムニスト 河崎 環)

総理になりそこねた男・玉木雄一郎氏への失望

 政策すり合わせで自民党との連立入りに躊躇(ちゅうちょ)している間に、維新が連立入りをスピード決定。いわばトンビに油揚をさらわれた格好の国民民主党だが、その代表である玉木雄一郎氏の姿勢をめぐり「玉木ショック」などと呼ばれる離脱、失望感が広がっている。

 支持団体である連合の理解を得られず与党連立入りにまごつく一方、「玉木雄一郎首相誕生」をチラつかせた野党連合案にも応じない姿が「優柔不断」「腰抜け」「チキン」「逃げるな」とこてんぱんに批判を浴び、「私には内閣総理大臣を務める覚悟がある」と繰り返したのも仇(あだ)となった。何も得られず、ただチャンスを逃した形となった国民民主党の支持率は急落※。昨年来の支持率急増が同じ熱量で反転するかのようなバックラッシュが生まれている。

 痛恨のミスと思えた連立落ち。玉木氏が、与野党のガソリン暫定税率廃止合意に「本来は自分のアイデアであった」とも聞こえるアピールをすれば、「だったら連立すればよかったのに」「ハイハイ、偉い偉い」と嘲笑が湧く始末だ。

 もともと男性支持に比べて女性支持が低い※※と言われる玉木代表の次の一手なのだろうか、高市政権が取り組まないことを明言してリベラル層からの不満が上がっている選択的夫婦別姓制度に対し、導入の必要性を主張。「いま、そこじゃない」と、また失望の声も上がるのだが……。

※10月21~22日に読売新聞が実施した世論調査によると、国民民主党の支持率は9月の調査から4ポイント下げて5%となった。
※NHKが10月14日に発表した世論調査では、国民民主党支持者の割合は、男性が6.5%、女性が2.4%。