10年前からどれほど進化したか
翻訳の精度を比べてみると…
翻訳サービスではかつてはDeepLが頭一つ抜けていた印象だが、近頃は他もがんばっている。AIの躍進もあろう。
余談だがDeepLを始めとする翻訳サービスで用いられているモデル「NMT(ニューラル機械翻訳)」は元からAIだが、最近は理解のされやすさや期待度の高さの点から通りがいいので、機能や成り立ちに言及しない浅めのシーンでは「NMT」ではなく「AI翻訳」と言われることが多いようである。
関連動画を漁っていたらテクノロジー系のメディアCNETの、Google翻訳を使って英語と日本語でやり取りする、10年前の動画が出てきた。これが当時の最先端であって、面白かったので紹介したい。まず1人が英語でこう言う。
「Hello Seth(人名) how's it going today」
「調子はどう?」くらいの意味である。英語は完璧に聞き取られ、日本語に変換され、そして女性の機械音声がたどたどしいイントネーションでこう言った。
「こんにちは、セスは、どのようにそれが今日起こっている」
ああ、そういえば自動翻訳ってちょっと前まではまさしくこんな感じだったよな、という感覚をまざまざと思い起こさせてくれる、趣きある怪しげな訳である。当時は翻訳の質がだいたいその程度だったので、こちらも当てにしないで利用せねばならなかった。
だが今Google翻訳で同じ文を変換すると、「こんにちは、セス。今日はどうですか?」と正しく出てきた。
よろず有用で翻訳もしてくれるChatGPTに同様の訳を頼むと「こんにちは、セス。今日は調子どう?」と出てきてこちらもよろしい。訳を頼んだ文がシンプルだったので大きな差は見受けられないが、どの翻訳サービスも一定レベルの正確さは備えてくれていそうである。
翻訳サービスによって使われているAIのモデル・方式は違う。「AIモデル」と言われてもなんのこっちゃだが、車にたとえるとエンジンのようなものだろうか。







