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リーダーは社内合意が取れていない難しいプロジェクトを任されることが多く、部下だけでなく上層部も動かさなければならない。そんなとき必要になるのが、現場の声に耳を傾け、決定し、伝える力だ。メディアに大きな変革をもたらしたマーケティングディレクターのエド・スミスを例に、優れたリーダーの振る舞いを見ていく。※本稿は、マーケターのトーマス・バルタ著、ロンドン・ビジネス・スクール経営マーケティング名誉教授のパトリック・バーワイズ著、田中恵理香訳『世界のトップマーケターだけが知っている「12の成功法則」』(日経BP)の一部を抜粋・編集したものです。
乗り気でない部下を動かすには
まず「聞く(Listen)」から
マーケティングリーダーは、会社全体の合意が完全に取れていないマーケティングプロジェクトを主導しなくてはならないことがよくある。大規模な変化があまり歓迎されていないときでも、変化を起こすよう社員を動かすにはどうすればよいだろう。
実は「秘密兵器」がある。「聞く(Listen)、決定する(Decide)、伝える(Communicate)」、英語の頭文字を取ると「LDC」だ。
では、1つずつ見ていこう。
まず、変化によって大きな影響を受ける人たちを特定し、全体の目的(マーケティングプロジェクトの詳細には踏み込まない)を簡単にまとめて説明する。そして、黙って相手の意見をよく聞く。
聞くとは、言葉の1つひとつを捉えるだけではない。その場で何が進行しているかを理解することだ。
米食品大手General Mills(ゼネラル・ミルズ)で長くCMOを務めたマーク・アディックス氏は、これまでに受けた最高のアドバイスについて、次のように語った。







