その両方を維持するには、たゆまぬ努力が必要だ。

 チーム内で信頼を築く実践的な方法を見てみよう。信頼方程式の3つの要素に着目する。

リーダーの振る舞いが
部下のプロ意識を左右する

 当然ながら、マーケティングリーダーであるあなたは、チームメンバー全員にプロフェッショナリズムを期待している。

 そして、あなたもメンバーからプロフェッショナリズムを期待されている。プロフェッショナリズムがなければ、自信に満ちた成功するチームをつくることは決してできないだろう。

 あなたはロールモデルだ。あなたが締め切りを守らなければ、チームも守らない。あなたがミーティングに遅れて来れば、チームも遅れて来るようになる。あなたの行動すべてが、チームの行動の基本になる。リーダーとして、次に挙げることを必ず実行してほしい。

・約束を守る

 文字どおり約束を守ること。守らないなら約束をしない。約束を守れなかった場合は率直に謝罪する。

・規則を守る

 経費、守秘義務、平等、いじめやハラスメント、衛生と安全といった会社の方針を厳密に守る。そして、守っていることが周囲の人に分かるようにする。この点については、常に徹底しなくてはならない。自ら範を示し、プロフェッショナルの基準からの逸脱は一切認めないという文化を生み出す。

・マーケティングについてすべて知っているようなふりをしない

 これは一段と難しい。今日では、チーム内の多くの人が自分の仕事の細かいことに関しては、リーダーよりもよく分かっているからだ(もちろん分かっているべきだ)。

 リーダーとして経験を積めば積むほど「チームメンバーは自分が若い頃には存在もしていなかったことをやっているので、詳しいことは分からない」という状況が増えてくる。

 どうすれば、威信と信頼を保てるだろうか?チームのメンバー1人ひとりの知識と専門性をたたえるのだ。質問を投げかけ、彼らが持つスキルの幅を広げて大きな構想と結びつける。