それでもこれを1つの目安にして、「わが家なら介護費用をどれだけかけられるか」と考えてみてください。
まれに相続分を残すために介護にお金をかけようとしない人(親も子どもも)がいますが、親の遺産が“争族”化の原因になることもあります。
貯金額や年金額など
親の財産を把握しておく
「介護と相続はワンセット」ですが、親の財産を聞いておくと、親が亡くなったあとの手続きがスムーズになります。
年金や財産の額はもちろん、「どの口座から何のお金が引き落とされているか」確認を。エンディングノートなどに記入するとよいと思います。
親の財産を聞いたら、通帳や保険証券などの原本を確認することも忘れずに。
【銀行口座】いくつもの口座がある場合、年金受け取り口座や公共料金引き落とし口座などを1~2つに絞って、あとは解約するのがおすすめ。定期預金を普通預金にかえる手続きも、本人ができるうちにしてしまいます。預金通帳と印鑑の組み合わせを確認することも忘れずに。
【有価証券】認知症になると売買できませんので、儲けが出るなら売却も検討。
【生命保険】受取人が故人になっていることもあるので、保険証券をチェック。入院時に代理請求できるよう家族登録の届出をしましょう。
【所有不動産】所在地の確認も忘れずに。
【借金など】負債はトラブルのもと。教えてもらいましょう。
身銭を切らないためにも
平均余命の見積もりを
親の年金額と資産額がわかったら、使える介護費用についても検討しましょう。
ここで大事なのは、寿命を見積もることです。インターネットで検索すると、簡易生命表から現在の年齢ごとの平均余命がわかります。計算式をもとに説明しましょう。
80歳の女性の場合、平均余命は約12年。
手持ちの金融資産2000万円を12年で使うケースで試算すると、1カ月に使える額は約22万円です。ここから生活費や社会保険料を引いた残りが、介護にかけられる費用ということです。







