相手の興味や趣味に合わせた「喩え」を使うことで、相手はあなたの説明に関心を持ってくれるようになります。

 あなたの会社が主催するイベントが、まもなく開催されるとします。しかし、どうやら進捗がかなり遅れている様子。上司としては、担当である部下にハッパをかける必要があります。さて、野球部出身のCくんにハッパをかけるとしたら、あなたなら何と伝えますか?

「今の状況は、9回裏、ツーアウト満塁で1点ビハインド、ってところだな。Cくん、ここから逆転でいこう!」と言えば、きっと通じるのではないでしょうか。

 しかし、同じセリフを、野球を全く知らない女性社員に言ったらどうでしょう。

 実際、私が企業研修などをしていると、女性社員からは、

「男性上司の、何でも野球やゴルフに喩えるクセ、やめてほしいです」

「そもそも、野球とかわからないし……」

 と、不満の声をよく聞きます。とすれば、どんな相手にも通じるように、喩え話の幅をもっと広げる必要があるということです。

 日ごろ、部下や上司をよく観察していれば、相手の興味や嗜好がわかります。

 誰に対しても野球やゴルフの喩えで押し通すのではなく、音楽、料理、出身地域といった「相手と共有できる言語」のストックをできるだけたくさん増やして、相手に合わせて使い分けられるようにしておくとよいでしょう。

 説明上手は、相手の好むポイントに応じて喩え話を使い分けています。

 相手のことをよく観察し、相手に伝わる言語を意識することで、あなたの説明は今よりも確実に伝わりやすくなるはずです。

プレゼンの質疑応答で「スラスラ答える人」がやっている“3つの準備”とは?イラスト/村林タカノブ(同書より)

プレゼンの質疑応答が苦手…
どんな準備をすべき?

「プレゼン後の質疑応答が苦手なんです」

「予想外の質問が来たら、どう答えたらよいですか?」

 と、聞かれることがよくあります。