「いきなり春が訪れることも」勘右衛門(小日向文世)が恋!?スキップができたことがきっかけで人生激変の予感〈ばけばけ第43回〉

勘右衛門、スキップ師匠になる

 例の写真の女性・イライザ(シャーロット・ケイト・フォックス)は奥さんなのか?

 誰も知らない。この間のクイズのときに確かめるチャンスであったが、トキが止めてしまった。

 外国では室内で履物を履いたままだそうで、畳もない。それだけ日本と外国の生活習慣は違うから、奥さんという存在が外国ではどのようなものかもわからないとトキは考える。だが、室内で土足であることと畳がない――「それが奥様をつれてこられない理由にはならない」とフミ(池脇千鶴)に論破(?)されてしまう。

 もしも妻でなかったら。40歳にもなって、仲の良い女性がいるだけで、妻をもたないのはへん、だと司之介(岡部たかし)は不信感を抱く。武士の時代、10代で結婚していたことを思うと、40歳で独り身であることがおかしいと思うようだ。20世紀の終わり頃、25歳までに女性は結婚すべきという考え方があったようなものであろう。

 ところが、この考えに真っ先に賛同しそうな勘右衛門(小日向文世)が、突如として「これまでの我々の常識ではな」と水を差すようなことを言い出した。

「人生というのは何が起こるかわからん」「いきなり春が訪れることも」などといつもと様子の違う勘右衛門に司之介たちが面食らっていると、近所の子どもたち――上野久作(立野空侑)と上野新作(上山就暉)が「スキップ師匠」と呼びに来た。

「わしの父上はスキップ師匠だったのか」と司之介。いや、そんな簡単に納得しないで。

 勘右衛門たちはスキップの練習に励む。彼らのおばあさん・タツ(朝加真由美)もいて楽しそう。「たったたった」と子どもたちの声が弾んでいる。

 明らかに、勘右衛門には変化が起きている。

 タツに出会って心境の変化が起きているようなのだ。こうなると、タツは彼にとっての黒船かもしれない。また、恋愛とは明治維新のように人間に大きな変化を起こすものなのかもしれない。

 どこもかしこも恋ばかり。

 土曜の午後、トキがゴリゴリすりこぎを使っていると、勢い余って。ブン! と飛ばしてしまう。

 その騒音に怒るヘブン。トキはブードゥー人形に何かを念じている。カジュアルに執念深い。

 なんでトキはこんなにイライラしているのか。やはり、錦織とリヨとの板挟み状態だからだろうか。