これらをまとめると、関係人口は、対象と顔の見える直接的なつながりを持つことと、加えて、消費的・経済的な側面よりも、生産的・非経済的な側面を価値として感じているという点がファン・推しと異なるだろう。
『関係人口の時代「観光以上、定住未満」で地域とつながる』(田中輝美、中央公論新社)
前述のとおり、顔の見える仲間のようなつながりがある、と言い換えることができる。
類似語には「応援消費」もある。『応援消費』の著者・水越康介によると消費することで応援しようとする行動で、2011年の東日本大震災を契機にして広く使われるようになった。
一般的な消費者に比べると、応援消費をする人は対象に愛着を持っているが、ファンと呼ぶほど熱量があるケースは多くなさそうだ。
関心は、消費者よりも、ファン、推し、関係人口の方が強い。関与は、ファンの一部にも見られるが、推しと関係人口の特徴として際立つ。直接的なつながりは、推しと関係人口に共通し、非経済的な価値は関係人口のみとなる。
これらは便宜上、それぞれの特徴を整理して考える際のものであり、境界があいまいな部分もあることは付け加えておきたい。







