メリットの一つは、税の繰り延べ効果といわれています。

 NISAを除く通常の投資では、利益が出るたびに課税されます。よって利益確定のたびに運用効率が落ちるのです。

 しかし、PPFIに入れると「解約するまで課税が繰り延べ」されます。結果として、長期での複利効果が大きくなるというわけです。

 ただ、そうしたメリットに惹かれて安易に飛びつくのは、正直なところ、危ういです。

 そもそも海外保険は前述の通り、入り口の加入段階から規制されています。本当に運用益に課税されないかどうかはなんとも言えません。

 また、保険に入れば「相続税対策になる」と言う乱暴なブローカーもいるようですが、毎年確定申告の時期には「国外財産調書制度」で海外の保険加入についても申告の義務があり、海外に口座があればCRS(共通報告基準、海外の非居住者の口座を定期的に国同士で情報交換する制度)もあり、隠すことはできません。

 過去に、海外のプライベートバンク経由でブローカーから海外生命保険に加入していたある富裕層はこう言います。

「確かに、日本の保険と比べてコストが安いというのは間違いない。なので、保険商品としては良い。ただ、相続含めた節税になるかというと、結局、日本人が日本に住み続ける限り、その効果はない」

「海外のプライベートバンクの多くが一生懸命、海外保険を売りたがるものだから、手数料がよっぽどいいんだろうなぁと邪推しちゃうよね(笑)」

 海外のプライベートバンカーにおいても、「運用益の非課税を求めたいならわざわざ保険にしなくても、VCC(Variable Capital Company、可変資本会社)など手法は存在しますよ」と指摘する声が聞こえてきます。

海外生命保険に向いている人は?
日本に住んでいると難しい

 では、海外の生命保険の恩恵を受けられるのは誰なのか。

 私はズバリ、「会社を売却した若い富裕層」ではないかと思います。