ところが、がんによる死亡リスクだけは、20%高くなっていました。
また、卵の摂取量が増えるほど、がん死亡のリスクが高くなっており、卵1個増えるごとに、リスクが4%高くなっていました。
ただしこれは、世界中の様々な人種での研究を集めたデータですので、日本人に当てはまらない可能性があります。日本人ではどうなのでしょうか?
2018年にEuropean Journal of Nutritionという雑誌で報告された研究では、30歳以上の4686人の日本人女性を対象として、卵の摂取量とがんによる死亡リスクとの関係を15年間にわたって調査しました。
その結果、1日に1個卵を食べるグループに比べて、1日に2個以上食べるグループでは、すべての死因による死亡リスクがおよそ2倍、そして、がんによる死亡リスクは3.2倍も高くなっていました。
というわけで、以上の研究からは、卵の摂取量が増えると、がんによる死亡リスクが高くなる可能性があるといえます。
卵はとてもよいタンパク源ですので(1個あたり約6gのタンパク質を含んでいます)、摂取することの栄養学的なメリットも大きいと思います。ただ、食べすぎると、がんや心血管疾患の危険が高まりますので、1日に1個以内にとどめることをおすすめします。
これはすべての食品にいえることですが、1つの食品をたくさん食べるのではなく、バランスよく色々な食品を摂るように心がけましょう。
辛いものが好きな人は
がんになりやすい?
スパイスや辛い食べ物は健康にいいという話を聞いたことがあると思います。
とくに、唐辛子(チリペッパー)を食べる人は、心筋梗塞など心臓病による死亡リスクが減ることが分かっています。
一部の研究によると、唐辛子によって、がんのリスクも下がることが報告されています。唐辛子に含まれるカプサイシンという成分に、がん細胞を死に誘導したり、がん細胞の増殖を抑制したり、あるいは、がんの成長に必要な血管新生を抑制したりする効果があることも分かっています。







