その結果、超加工食品の摂取量が最も多いグループでは、最も少ないグループに比べ、がん全体のリスクがおよそ20%も上昇していました。

図表:超加工食品とがん発症率との関係同書より転載 拡大画像表示

加工していない食品に置き換えることで
がんのリスクが減少する

 また、すべての食品中の超加工食品の摂取割合が10%増えるにしたがって、すべてのがんのリスクが12%、乳がんのリスクが11%上昇していました。つまり、超加工食品を食べれば食べるほど、がんのリスクがどんどん高くなるのです。

 とはいえ、コンビニに限らずどこでも買うことができる超加工食品の摂取をゼロにするのは、とくに若い人にとっては難しいだろうと思います。

 そこで、1つの解決策を示す最新研究を紹介します。

 ヨーロッパにおける45万人以上を対象とした大規模な研究のデータを使った解析で、食品の加工の程度を分類し、超加工食品をどの程度減らしたらがんのリスクが下がるのかを計算しました。

 その結果、超加工食品の摂取割合のうちの10%を、ほとんど加工していない食品に置き換えることで、結腸がんのリスクが7%、頭頸部がん(頭から首までの範囲で、脳と目を除く部位にできるがん。口腔がんや咽頭がんなど)のリスクが20%、そして、肝臓がんのリスクが27%も減少するということが分かりました。

 つまり、いつも食べている超加工食品のごく一部を、加工していない食品に置き換えることで、がんのリスクを下げることができるということです。

 超加工食品を食べる頻度を極限まで減らすのが理想的ではありますが、まずはほんの少しでもいいので減らして、その分を新鮮な食材を使った料理に替えてみてはいかがでしょうか。

卵のコレステロールと
がんリスクの関係

 卵には、豊富なタンパク質だけでなく、ビタミンやミネラルなどの体に必要な栄養素が豊富に含まれていて、「完全栄養食品」とも呼ばれています。