「日本一のホワイト企業」はどの会社なのでしょうか?
『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別な経歴や夢がなかった“普通の就活生”である著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分に合った就活メソッドを築き上げ、食品大手を含む22社から内定を獲得した実体験をもとにした、どんな学生でも内定に近づく一冊です。「自己PRで話せることがない」「インターンに参加していない」といった就活に不安を抱く学生と、そっと背中を押したい保護者に読んでほしい就活戦略が満載です。今回は、日本一のホワイト企業の定義について著者である「就活マン」こと藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

ホワイト企業Photo: Adobe Stock

日本一のホワイト企業はどの企業?

僕は「ホワイト企業ナビ」という求人サイトを運営していることもあり、これまでに数百社以上の企業の働き方を深く見てきました。

その中でよく聞かれるのが、「日本一のホワイト企業ってどこですか?」という質問です。

結論から言うと、世の中には様々な媒体が発表する「ホワイト企業ランキング」がありますが、そもそもホワイト企業の基準は人によって違います。つまり、ランキングは万人に共通する“正解”にはなりません。

だからこそ、全員に当てはまる「日本一のホワイト企業」は存在しないんです。たとえば、早く成長したい人にとっては、残業が短くても休日が多くても、刺激がなければ物足りなく感じるかもしれない。

逆に、プライベートの時間を大切にする人にとっては、年収が高くても毎日終電レベルの働き方なら全く魅力的じゃない。

このように、ホワイト企業の定義は人によってまったく異なります。

さらに言えば、その人が置かれている人生のタイミングによっても「ホワイト」の定義は変わります

若いうちは「激務でも成長できて給料が高い会社」がホワイト企業に映るかもしれません。でも30代で家族ができれば、休日の多さや残業の少なさが“絶対条件”になることもあります。

こう考えると、ホワイト企業とは絶対的なものではなく、人によって違い、人生のステージによって変わり続ける“相対的な概念”だと分かりますよね。

ホワイト企業を見極める唯一の方法

ここまで話してきたように、誰にとっても共通する「日本一のホワイト企業」は存在しません。

では就活生や転職者はどうやってホワイト企業を見つければいいのでしょうか。

結論は、基準を他人に預けないことです。

多くの人は、「年収が高い」「残業が短い」「離職率が低い」といった一般的な条件を“ホワイトの基準”として採用します。でもそれはあくまで世の中の平均的な価値観であって、あなた自身の価値観とは限りません。

大切なのは、“あなたにとってのホワイト企業”の条件を先に言語化しておくこと

たとえば、
「年収よりも自分の時間を大事にしたい」
「家族との生活リズムを崩したくない」
「裁量よりも安心して働ける体制を重視したい」
といった具合に、自分の軸を具体的にしておく。

すると、企業を見るときの視点が劇的に変わります。求人を見るときも、企業説明会に参加するときも、面接で質問するときも、“自分の軸に合うかどうか”だけにフォーカスできるのです。

ランキングや平均値に振り回されずに、自分にとって本当にホワイトな企業を選ぶことができます。僕がホワイト企業ナビで取材を続けている理由も、まさにここです。

世の中の企業を平均化してランク付けするのではなく、「この会社はどんな人にとって幸せな職場なのか?」という視点から深掘りし、情報を届けたいと考えています。

ホワイト企業とは、人の数だけ定義があるもの。だからこそ、他人が作った尺度ではなく、自分の軸で会社を選んでほしいのです。それが結果的に、“日本一のホワイト企業”に出会う一番の近道になります。

拙書『脇役さんの就活攻略書』では、自分に合う企業を探すためのワークを用意しています。

1人でも多くの方が自分にとってのホワイト企業を見つけるきっかけになると嬉しいです。

(本記事は『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』に関連する書き下ろしです