「選手が迷っているのではないか」
「なかなか結果が出なくて焦っているのではないか」
「ちょっと落ち込んでいるのではないか」
毎日選手を見ているとそんな小さな変化に気付くことがあります。私自身が声をかけたり、練習中にいろいろと話をすることもありますが、吉岡さんのような専門家の視点からアプローチしてもらうことで、選手たちの選択肢が広がるという効果は何よりありがたいものです。
「何でも相談できる監督」を目指してはいますが、私が選手と接する際には、選手がガードをしてしまって深いところには入れない、見せない部分もあります。
『成長至上主義のチームデザイン――成長こそが慶應の野球』(森林貴彦、東洋館出版社)
「野球部の監督」では入れないこうした部分に吉岡さんがアプローチしてくれるのはとても助かりますし、私だけでは見ることのできなかった選手の新しい一面が見え、その後の指導や接し方、起用の仕方などに参考になった例も数えれば切りがありません。
私は私の視点で、吉岡さんはメンタルコーチとして、そのほかさまざまな専門家のアドバイスを受け、選手たちがそれぞれのアドバイスをじっくりと噛みしめ、自分で考えて改善に役立てることができるはずです。
選手たちが自分に必要なリソースを見極め、それを積極的に取り入れていこうとする姿勢は選手個々の成長に不可欠なものです。自分にとって役立つものや、力になってくれるものを積極的に利用し、自ら働きかけていくべきです。
せっかく専門的な知識やスキルをもつ方が近くにいるのですから、それぞれの専門家の力を借りるのが一番ではないかと選手たちには常々伝えています。







