サイバーエージェント藤田社長が語る
「意思決定」の難しさ
(1)変化が激しいVUCA時代だからこそ求められる「社長としての覚悟」
「社長という立場がいかに大変かという事を感じてもらえたんじゃないかと思う。社長が間違えたら大変な時代でかじ取りがどれだけ難しいのか伝わったと思う」
これは私たちの経営幹部育成のサービスにオブザーブしていたサイバーエージェントの藤田社長にいただいた言葉です。経営者の最大の仕事は「意思決定」。右か左かわからない中でも「意思決定」を求められるのが、経営者です。
また、他の経営者は「自分のところに報告される相談は、成功確率1割以下のものばかり。合理的に考えて正解が導ける案件は手前の役員までで判断されている。自分は正解が見えない問題の決断を求められる。それが分かっていない」とおっしゃっていました。
経営者の行う意思決定は、判断という以上に「決断」。自分の意志決定が、会社が生きるか死ぬか、社員の苦労が報われるか否かに繋がります。社員やその家族の生活もかかってくるでしょう。そして、それら全て、正解がない中で行う、ある意味「賭け」と言っても過言ではないものです。こうした「決断」場面は、個人のスキル・知識だけでは太刀打ちできない「覚悟」や「度胸」が求められる場面でもあります。
経営幹部候補者の“問題・不足”ではなく、“可能性・兆し”に着眼してほしいといった理由はここにもあります。実際に経営者を担っていない以上、現状、経営者に匹敵する覚悟を持っている候補者は稀です。しかし、これまでのキャリアの中で、その時々で正解が見えない不安に立ち向かった経験があれば、それを覚悟が醸成され得る可能性・兆しと捉え、その覚悟をより強固なものにできるかを考えることができます。逆に、まだそこまでの経験がないのであれば、その土台から立ち上げていく必要があるというわけです。
(2)経営者・幹部が本音でぶつかり「侃々諤々議論できるチーム」をつくる
「常務のときは事業をまわすことで必死だった。社長になって借金を返すので必死だった。ようやく目処がついて、これからのことを考えようとしたら、何をどうすればいいかわからなかった。幹部に相談をしても自分の事業のことばかりで、挙げ句『それは社長が考えることですよね』と言われてしまった」
「社長になって、とんでもない金額の投資決裁が回ってきた。その事業のことなんてまったくわからない。何を根拠に判断したらよいかわからなかった」







