なぜ、いつもそばにいる「大切な人」を後回しにしてしまうのか? 脳が仕掛ける恐ろしいワナ
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で元気が湧き出る言葉』(ダイヤモンド社)など、累計33万部を突破した人気シリーズの原点、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)です。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。
Photo: Adobe Stock
「すべてはいずれ失われる」という事実
今日は、「すべてのものはいずれ失われる」というテーマでお話しします。
当たり前のことではありますが、自分自身を含め、永遠に存在するものはありません。身の回りにあるモノ、出来事、人間関係など、すべての物事はいずれなくなります。
しかし、人間の脳には「変化の少ないものを新しい情報として認識しなくなる」という性質があります。つまり、いつもそこにある人やモノを「当たり前」とみなし、意識を向けなくなってしまうのです。
脳の慣れが生む「優先順位」の誤り
本当はかけがえのない大切な人であっても、常にそばにいると、脳はそれを重要視しなくなります。いわゆる「釣った魚に餌をやらない」状態のように、注意を払わなくなってしまうのです。その結果、何が起きるでしょうか。
●目先の刺激への反応:仕事のトラブルや昇進の話、新しい買い物など、「変化のある新しい情報」ばかりに意識が向いてしまいます
これを自然の成り行きに任せていると、大切な人をないがしろにしてしまい、結果として別れや離散を招くなど、「大切にしなかったから失う」という事態になりかねません。そうなってから悔やんでも、もう手遅れなのです。
ある「昭和の夫婦」の変化から学ぶこと
たとえ努力をしていても、別れの時はいつか必ず訪れます。しかし、「いつか失われる」と意識できているかどうかで、その接し方は大きく変わります。
私の知人に、昔ながらの亭主関白な旦那さんと、それを三歩下がって支える昭和的な奥様のご夫婦がいました。ある時、その奥様が命に関わる重篤な状態に陥ってしまったのです。
私はもう駄目かもしれないと思いましたが、奇跡的に奥様は完治され、後遺症もなく復活されました。その後、旦那さんは劇的に変わりました。以前とは比べものにならないほど、奥様に優しくなったのです。
きっと、「失うかもしれない」という恐怖を目の当たりにして、本当に大切なものが何かに気づいたのでしょう。もしあのまま失っていたら、旦那さんの後悔は計り知れないものだったはずです。
後悔を減らすための「週に一度」の習慣
このような危機が訪れる前に、私たちは気づく必要があります。「仕事も大事だけれど、家族との時間はもっと限りあるものだ」という本当の優先順位が見えてくるはずです。
とはいえ、「すべては失われる」と毎日考え続けるのは精神的にしんどいものです。ですので、おすすめしたいのは以下の習慣です。
●行動を微修正する:「最近、感謝を伝えていないな」「今度の休みは一緒に過ごそうかな」と少しだけ優しくなったり、行動を変えたりする
これだけで、将来の自分の人生に対する後悔をゼロにはできなくとも、確実に減らすことができます。大切なものを失ってから気づくのではなく、あるうちにその価値を再確認していきましょう。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。








