しかし、この「『すごい』を目指す競争」もいきすぎると、「すごい」と言ってもらえない自分には生きる価値がないなどと、考えてしまうおそれをはらんでいます。

「○○さんはすごい!」
「必ず勝つ!」
「成功!成功!」

 このように、さらなる高みへ登ることを過剰に煽られ、自分をエンドレスに削り続ける世界。これを「すごい地獄」と言います。

 そして世の中には、この「すごい地獄」を当たり前のようにとらえ、どっぷりと浸かってしまっている人も少なくありません。

 特にこれは男性に多い傾向にあります。

 なぜなら、男性という生き物が、いつの時代においても「すごい」と呼ばれる生き方の中で生き、幼い頃から「勝つことこそが善である」と教えられてきたからです。

 もしいま、あなたがこの言葉を聞いてハッとしたのなら、あなたはすでに「すごい地獄」にハマってしまっているのかもしれません。

「すごい地獄」から抜け出すには
自分軸を優先すべし

 ではどうすれば、無限に続く「すごい地獄」から抜け出すことができるのでしょうか?

 それは簡単です。

 世間の勝ち負けではなく、「自分が心から楽しいかどうか」を第一に考える習慣を身につけることです。

「これで相手に勝てるのか?」
「これは正しいのか」
「これは人から認められるのか?」

 ではなく、

「これは自分にとって幸せなことなのか?」
「本当に自分の中で満足できるのか?」
「本当に自分の中で楽しめるのか?」

 にフォーカスをする。そうすると、あなた自身の在り方に独特な磨きがかかります。

『心が軽くなるヒント』書影『心が軽くなるヒント』(永松茂久、PHP研究所)

 世の中は、正しいことやすごいことばかりで成り立っているのではありません。たとえ人から褒められなくても、自分の楽しいことに没頭している人は、結果としてキラキラと魅力的に映ります。

 どんな状況にあっても、どんなに人から褒められなくても、自分の思う美しさ、美学を追求する。そんな人は必ず輝きます。

 現実に、目立たなくても「素敵」な人はたくさんいます。

 むしろ「すごい地獄」からいち早く抜け出した人のほうが、自分らしく軽やかな人生を送れているように思えてなりません。

「すごい」より「素敵」な生き方を目指していきましょう。

「すごい」だけの世界は、少し疲れてしまいます。