親と過度に親密ではないことには、子どもの独立性を損なうような息苦しさがないというプラス面があります。このように、クリエイティブな人は、子どもの頃から両親と気楽な関係にあり、それ以降の人生でも快適で親しみやすい間柄を維持していました。
『ハーバードの心理学講義』(ブライアン・R・リトル著、児島修訳 だいわ文庫、大和書房)
同様のパターンは、宗教との関わりにも見出せました。宗派の違いは見出せませんでしたが、クリエイティブな建築家には、子どもの頃に宗教の教義よりも内なる価値観を育むことを重視していたという傾向が見られました。
子どもの頃に体験した引っ越しの回数が多いという共通点もありました。同じ土地で生まれ育った人に比べて、何度も引っ越しを体験した人は、新しい土地に適応するため柔軟性が高くなり、ものの見方が多面的になったと考えられます。
ただし、引っ越しが多い人は、孤立感を強める傾向もあります。昔からの友人に頼るのではなく、何でも自分自身で問題を解決しようとするのです。
このように、クリエイティブな人の子ども時代には、個人の感覚や自律性を尊重する、感情的・知的に自由である、などの共通点があります。







