経営者として
活躍する卒業生たち
社長、会長など大企業で経営トップを経験した卒業生を、挙げてみよう。
旧制愛知五中時代の出身者では、現在のみずほ銀行の前身の一つである日本勧業銀行の頭取をした竹だ満作がいた。1973年~77年に日本銀行政策委員を務め、公定歩合の引き下げに反対した。政策委員が日銀当局の方針に反対したことはそれまでになく、気骨あるエコノミストと称賛された。
河合邦人は父親が創業した河合塾の経営を引き継ぎ、兄とともに河合塾を三大予備校の一つに育て上げた。
川井台平(アイカ工業)、白石豊彦(愛知時計電機)、加藤乙三郎(中部電力)、白石信喜(東陽倉庫)、広沢金久(オークマ)、荒川和夫(サッポロビール)らも五中卒だ。
新制の瑞陵高校出身者では、服部幸三(井桁堂)、青木偉晃(アオキスーパ―)、久田宗弘(DCMホールディングス)、松下雋(しゅん、日本ガイシ)、中野吉晴(雪印メグミルク)、伊井哲朗(コモンズ投信)、判治誠吾(大同メタル工業)、清水哲也(大同特殊鋼)、山碕聡志(東邦ガス)らがいる。
緒川修治は宇宙開発を手掛けるPDエアロスペースの創業社長だ。三菱重工業で新型航空機開発プロジェクトに参加し、2007年に同社を設立した。
長屋明浩はヤンマーホールディングス取締役・チーフブランディングオフィサー・ブランド部長で、過去にトヨタ自動車で初代レクサスLSなどのデザインに関わった人物だ。愛知県立芸大出身で、ブランド戦略策定の第一人者だ。
ユニークな技術を誇る中小企業もある。成瀬拓郎はナルセ時計の創業者で、日本でも数少ない独創的なゼンマイ式時計の製作技術を持っている。愛知万博の巨大モニュメントである「千年時計」を手がけたり、和時計を再生したりしている。
定時制出身の山口勇は、英語など語学スクールの運営・研修などを行うECCグループを創業した。
「政官」の分野で
活躍する卒業生たち
「政官」の分野では、24年11月から名古屋市長に就任した広沢一郎が瑞陵高校出身だ。慶応大卒後、ビジネスマン生活が長かったが、愛知県会議員を1期務めた。
伊藤辰夫は国民民主党所属の参院議員で、25年7月の参院選比例区で初当選した。
伴野豊は立憲民主党所属の衆院議員で、24年10月の衆院選小選挙区で7期目の当選を果たした。
八田広子は、参院議員(日本共産党)を1期(1998年~2004年)務めた。
江口克彦は松下電器産業に入社し、松下幸之助の秘書、PHP総合研究所社長、参院議員を歴任した。
通産官僚出身の中村利雄は、05年の愛知万博で事務総長を務めた。同窓会の瑞陵会会長もした。
杉江一三は、自衛隊の最高位である第2代統合幕僚会議議長を務めた。
栗本一夫は旧制熱田中学出身で、元最高裁判事だ。「四畳半襖の下張事件」で裁判長を務めた。







