哲学者の谷川徹三と
経済学者の都留重人
文系でも高名な学者が出ている。哲学者で法政大総長をした谷川徹三と、経済学者で一橋大学長を務めた都留重人だ。
谷川は旧制五中の2期生だ。京都帝大卒で、西田幾多郎に師事した。雑誌「世界」の創立メンバーの一人だった。詩人の谷川俊太郎(旧制東京都立豊多摩中学・現豊多摩高校卒、24年11月死去)は長男だ。
都留は旧制熱田中学(瑞陵高校の前身)19期生で、旧制第八高校(現名古屋大学)に入学したもののストライキを起こしたために除籍処分を受けた。日本の大学に進学できなくなり米ハーバード大に進み、博士号を取得した。1947(昭和22)年に、第1回経済白書『経済実相報告書』を執筆した。
英文学者で評論家の本多顕彰、日本中世史の小島鉦作、西洋史学の尾鍋輝彦、ソビエト経済の野々村一雄、三菱商事出身の経営学者・河村幹夫、東欧経済史の家田修らもOBだ。
加藤紫帆は気鋭の法学者だ。名古屋大法学部の博士課程修了で、国際法が専門。23年から東大社会科学研究所准教授だ。
大学学長を務めた卒業生は、外科医の柴田清人(名古屋市立大)、交通工学の加藤晃(岐阜大)、水族病態生理学の岡本信明(東京海洋大)らだ。
『怪人二十面相』などで知られる
推理作家の江戸川乱歩も卒業生
文芸では、大正から昭和期にかけての推理作家・江戸川乱歩が著名だ。米国の小説家エドガー・アラン・ポーをもじってこの筆名をつけた。推理作家の登竜門となる江戸川乱歩賞が、乱歩の私財の寄付により創設されており、後世の新人推理小説家に大きな影響を与えた。
乱歩は愛知五中から早稲田大政治経済学科を卒業、『D坂の殺人事件』『怪人二十面相』などたくさんの作品を残した。「明智小五郎」という名の探偵を、多くの小説に登場させている。戦後は創作以外にも活動の幅を広げ、「宝石」編集長を務め、新人発掘に力を注いだ。
コラムニスト、舞台作家のペリー荻野が最近、テレビや文筆で売れっ子になっている。「ちょんまげ」に関する知識や時代劇に詳しく、NHKの大河ドラマについてのコメントなどもしている。愛知教育大卒の女性だ。
文芸評論家の本多秋五は旧制卒、川村二郎は旧制卒のドイツ文学者、文芸評論家だ。
児童文学作家の野間美智子、アニメ脚本家の伊藤美智子、コピーライター、クリエーティブディレクターの竹内好美も卒業生だ。
メディア関連では丸山昌宏が毎日新聞社長・会長を務めた。同窓会の瑞陵会会長だ。
元日経新聞記者の経済ジャーナリスト、ノンフィクション作家である大西康之が卒業生だ。
中部日本放送に勤めキャスターの先駆けとなった日比(ひび)英一、映画監督の武重邦夫もいた。
後藤晴菜は日本テレビアナウンサーだったが、24年10月末で退職し、現在はフリーアナウンサーだ。津田塾大卒。







