「自己紹介をお願いします」面接でこう聞かれたとき、一瞬で内定をとる人はどう答えるのでしょうか?
『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別な経歴や夢がなかった“普通の就活生”である著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分に合った就活メソッドを築き上げ、食品大手を含む22社から内定を獲得した実体験をもとにした、どんな学生でも内定に近づく一冊です。「自己PRで話せることがない」「インターンに参加していない」といった就活に不安を抱く学生と、そっと背中を押したい保護者に読んでほしい就活戦略が満載です。今回は、「自己紹介をお願いします」に対する一瞬で内定をとる人の答え方について著者である「就活マン」こと藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

就活 自己紹介Photo: Adobe Stock

自慢よりも…

「東京大学3年、田中太郎です!野球部では部長を勤めており、貴社の長期インターンに参加致しました。また、大学在学中はアメリカに1年留学しており、英語力には自信があります。本日はよろしくお願い申し上げます!」

集団面接で隣の就活生がこう話しました。“ある秘密”を知らなかったら、きっと中堅大で実績のない僕は「負けた」とその場で自信をなくしていたと思います。

そんな東大生の自己紹介が終わってから僕の番が来ました。僕は自信満々にこのように自己紹介をしました。

「名城大学3年、藤井智也です。私は第一印象は明るそうだと言われるのですが、実は趣味は一人映画に一人カラオケ、本当は陰キャです。本日は、そんな私の弱みを含めてすべてさらけ出したいと思いますので、何卒よろしくお願い申し上げます。」

これから社会に出て、組織に入ると言うのに「陰キャ」だと伝えたのです。

こんな自己紹介では内定は取れないと思うかもしれません。

でも、実はこれは、「ガクチカ(学生時代に頑張ったこと)に自信のない学生=脇役さん」のための作戦なのです。

人は「弱みを見せてもらった相手の方が信用しやすい」という心理傾向を持っています。だからこそ、脇役さんの自己紹介の目的は「自分の凄さを伝える」のではなく、「その後の話の信用度を上げること」です。

この自己紹介で評価を下げたとしても、信用度が上がったので、その後の「志望動機」や「自己PR」が深いと一気に評価が上がるのです。

いわばカラオケと同じで、ずっと大きな声で歌っていても高得点は狙えません。機械採点で90点以上を狙うとすると、あえて小さな声で歌って抑揚をつけるからこそ、大声のパートの迫力が増すのです。

弱みをさらけ出せる人には「自信」を感じる

僕は愛知の中堅大かつ、TOEICは300点台で、資格も実績もありませんでした。だからこそ、「すごいぞ」というアピールをしても名門大学の学生にはかないません。

しかし、先ほどのようなテクニックをたくさん駆使することで、総合的に名門大学の学生よりも評価してくれる企業がたくさんあったのです。

ちなみに、弱みをさらけ出せる人に、人は自信を感じるそうです。弱みを隠さず、さらけ出せるというのは、それ自体が「学力」や「過去の実績」を超えた評価に繋がることがあります。

拙書『脇役さんの就活攻略書』では、こうした僕のような普通の就活生の勝ち方をまとめました。就活をアピール合戦だと考えると、「こんな自分が内定を取れるのかな…」と自信をなくしてしまいがちですが、適性で決まることや、将来性を見てもらえると気づくと、とたんに面白くなるのです。

みなさんの就活を応援しています。

(本記事は『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』に関連する書き下ろしです