「圧倒的にここが一番うまいっていう店が意外とない」ホリエモンが語る沖縄そばの“伸びしろ”とは沖縄そば Photo:PIXTA

ホリエモンこと堀江貴文さんが、「沖縄そば」と北海道・帯広「豚丼」の意外な共通点を指摘する。「地方の名物は伝統を守るだけなく、新たな価値を加えて再構築せよ」と説くワケとは。※本稿は、堀江貴文『僕が料理をする理由 ~AI時代を自由に生きる40の視点~』(オレンジページ)の一部を抜粋・編集したものです。

沖縄そばの「決定版」は存在するか

 沖縄に行ったら一度は食べたくなる沖縄そば。だけど、「圧倒的にここが一番うまい」っていう店が、意外とない。

 もちろん行列のできる人気店はあるけれど、ラーメン業界のように競争が激化して、技術がどんどん進化している感じはない。なぜか?

 それは、名物というだけで観光客が来てくれるし、原価率も低くて、そこそこ儲かるからだ。努力しなくても商売が成り立ってしまう。だから、飛び抜けた一杯がなかなか生まれない。

 沖縄そばって、1900年代初頭に成立したスタイルが、今もほとんど変わっていない。鰹出汁のあっさりスープにラフテー、かまぼこ、紅しょうがとネギ。そして、味変といえばコーレーグースのみ。それが〈標準型〉だ。

 でも僕は思った。この沖縄そばには、まだまだめちゃくちゃ伸びしろがある。

伝統に新しい技術を重ねる

 そこで立ち上げたのが、冷凍パンのフランチャイズ「小麦の奴隷」を展開する〈こむぎの〉の新業態、「沖縄そば くいな」だ。探究のポイントはこうだ。