ジオリト投手はポッドキャスト番組で、SNSを通じて三振数などでの賭けに負けたファンから脅迫を受ける現状を告白。恋人までが中傷の標的になっていると述べた。また、アストロズのランス・マッカラーズ投手の家族が殺害予告を受けるなど、類似の事例も報告されている。
マンフレッド・コミッショナーは、MLBがスポーツ賭博の合法化に巻き込まれた経緯を説明しつつ、合法市場では監視がしやすいと述べた。
一方でジオリト投手は、問題を認めるだけでなく、深刻な事件が起こる前に実効的な対策を講じるべきだと訴えた(東スポWEB「【MLB】現役投手が野球賭博めぐりコミッショナーに直訴『脅迫される』」2025年7月24日)。
同じような誹謗中傷は、日本のプロ野球でも起きている。
2021年、中日ドラゴンズの福敬登投手が、自身のSNSアカウントで「死ね」「殺すぞ」「お前のせいで賭けに負けた」などとする投稿を受け取った。
Jリーグの現場でも、PKの失敗や守備でのミスを理由に、選手個人や家族、恋人のアカウントにまで誹謗中傷が波及するケースが続出している。
メッセージは往々にして匿名で、VPN(Virtual Private Network)を通じて海外から送られるものもあり、実際に送信者が外国人である場合もある。
これに対して、NPBやJリーグ、さらには選手会も動き始めている。
中傷を受けた選手は、球団を通じて弁護士と連携し、発信者情報開示請求を行い、刑事告訴も視野に入れる動きが強まっている。
Jリーグでは、SNSでの誹謗中傷に対応するための「危機管理チーム」を編成し、24時間体制での監視と選手のメンタルサポートを行う体制が整備されつつある。警察の対応も本格化している。
SNS上の発言が侮辱罪や脅迫罪に該当する可能性がある場合、IPアドレスの開示や発信元の特定が行われ、実際に書類送検されたケースも出てきている(NHK NEWS WEB「それって応援?中傷?アスリートへのSNSひぼう中傷やまず」2024年6月1日)。
誹謗中傷した投稿者は
自分こそ被害者だと認識している
だが、根本的な問題は依然として残る。誹謗中傷は投稿者にとっては単なる感情表現ではあっても、受け取る側にとっては人格を否定されるような重みをもつ。







