けれど、事前に何度も念を押されるので、時間を過ぎてダラダラ話す人は滅多にいません。ついつい話が長くなり、時間が過ぎてしまう人もたまにいますが、ドイツ人はそのようなことを見越して、余白をつくってプログラムを組んでいるため、セミナー自体は時間通りに終わります。
日本では会議の場などで、決められた時間が過ぎているのに、役職者などがダラダラとしゃべっている光景がしばしば見受けられます。ドイツではこのような事態はかなり疎まれます。
時間は有限だからこそ、自分の時間も人の時間もムダにしないように意識しているのです。
『9割捨てて成果と自由を手に入れる ドイツ人の時間の使い方』(松居温子、SBクリエイティブ)
一方、日本では、終わりの時間にルーズな割に、始まりの時間にはとても厳しい印象があります。ドイツ人も基本的に時間を守る意識はあるため、約束の時間は守ります。寝坊して1時間遅刻……などはありません。
ですが、電車の遅延などの不可抗力なことが起きた場合には、遅刻しても許されます。日本のように、「遅延も想定したうえで早く来い」と怒られることはありません。
時間を大事にしていることと、なんでもかんでも厳しくすることは違います。
不可抗力な出来事に怒ることも、ハプニングを想定して動くことも、結果としてはムダな時間になります。
それよりも、「いまこの時間で何ができるのか?」を意識することで、限りある時間を大事に使うことができるのです。







