この教育は各世帯にまで理解されるよう、かなり徹底して実施されました。

 遼寧省冶金地質調査公司102大隊には、国の指令で地電流の観測グループができ、1月4日に計器をおき、7日から観測を始めました。金属鉱床を探す仕事を専門とするこの大隊にとって、電気探査法を応用した観測は得意とするところだったのです。

 中国の大衆観測といっても、このような本業の技術を応用し、余暇を利用した協力による「業余観測」は質の高いものです。この102大隊業余観測点のデータも、臨震予報に大きく貢献することとなりました。

動物や井戸の異変から
地震の匂いを嗅ぎ取った

 1975年1月中旬、国家地震局は全国地震状況討論会議を召集しました。東北地域の各種異常現象を総合的に分析して、また、華北および渤海地域の地震活動の背景を考え合わせて、「遼寧省営口・金県一帯および丹東地区には、今年上半期にマグニチュード5.5~6の地震が発生する可能性がある」という予報意見を出しました。

 判断のもとになった現象は次のようです。動物と井戸水の観察によって報告された異常現象が、遼陽・本溪・鞍山・営口・錦州および旅大(現・大連)地区に分布していました。

 動物の異常は蛇・ねずみ・にわとり・豚などの他にも鵞鳥・あひる・鳥・魚・馬・牛・羊・犬・兎・猫・虎・鹿など20余種について報告されました。

 異常の内容は、驚きぼんやりする、驚いて逃げる、狂ったように吠える、食物を食べない、などでした。

 井戸水の上昇・下降も目立っており、当時の81の井戸の観測のうち55パーセントは上昇、15パーセントは下降を示しました。また30パーセントには色が変わったり泡が立ったりする現象がありました。数か所では地下水が湧き出る現象もみつかりました。

微小地震が多発したことを
省にすぐさま報告

 鞍山市海城県にある牌楼人民公社の村である丁家溝大隊の真下に、やがて大地震が発生しようとしていました。

 150余世帯ほどの集落であるこの大隊でも、大衆に対する教育が行われていました。