「ご自宅に送られてきた?」
「そうでした」
ジュリー氏と元夫は
一緒に退職届を提出
「それを見て夫婦でどんなやり取りを?」
「最初は理解もできなくて、『これはいったい何なのだろう』と。そのあとに我々の弁護士さんに相談したのかな。母とジャニーがどこの弁護士事務所を使っているかも知っていたので、最後はその先生と話すしかありませんでした」
「弁護士を入れて、ジュリーさん側は何を主張するんですか?『そんなつもりはない』と訴える?」
「あ、そうじゃなくて、メリー側の弁護士は『元夫を辞めさせたい』と言ってきたんです。それに対して私が『だったら、私も一緒に辞めます』という話をしたら、メリー側の弁護士が『あんたは辞める必要がないとメリーさんたちが言っている』と。でも、私もいい加減嫌気が差していたので『いえ、もう結構です。私もついていけないので一緒に辞めます』といった話を何度も繰り返しました。それで最終的には『そんなに元夫をかばうんだったら、ジュリーも一緒に辞めたらいい』ということになり、彼と私は同時に退職届を出すんです」
「そこまで行ったんですね」
『ラストインタビュー 藤島ジュリー景子との47時間』(早見和真、新潮社)
「でも、彼の退職届は早々に受理されるんですけど、どういうわけか私の方は一向に受理されなくて。そんなことがいつまでもダラダラ続いていたという感じです」
「それが『備忘録』にある『(2007年の11月に)元夫とジュリーより辞表を提出』という記述なんですね。元ご主人が辞めたのは、ジャニーズ事務所の本体だけですか?」
「プラス、彼が社長を任されていた2つの子会社」
* * *
こうして、ジュリー氏の元夫はジャニーズ事務所を去ることになった。しかし、メリー氏の常軌を逸した行動は、内容証明に留まることはなかった。この後、メリー氏によって、ジュリー氏と元夫に探偵がつけられたのだ。
強烈な個性をもった創業者だからこそ、成功したビジネス。しかし、まばゆい光の部分の背後には、副作用ともいうべき影も存在していた。







