パワハラ気質は
私生活でも露呈する
川野さんの著書『転職に向いてない人がそれでも転職に成功する思考法』(東洋経済新報社)
この質問は、採用だけでなく私生活でも有効だ。
例えば恋人や友人にこう聞いてみる。
「最近、誰に“ありがとう”って言った?」
これに対して、家族、友人、近所の人、同僚、趣味の仲間など“対等な相手”が自然に出てくる人は、他者を尊重できる。
逆に、部下、後輩、自分に従った相手しか、出てこない人は、支配性が高く、攻撃性が強い可能性がある。
これはモラハラ予備軍の特徴とも一致する。
丁寧さに騙されず、“本性”を見る目を持たなければならない。
今回のケースは、ホテルマン的な丁寧さ=人間の優しさではないという教訓を物語っている。
相手をどう扱うか。特に、「対等な他者」をどう語るか。
そこに、その人の本性がもっとも鮮明に表れる。
筆者は、この質問法を、対等に人を扱える人物かをふるい分ける「対等性スクリーニング」と名付けている。
そしてこの“本性を見抜く技法”は、採用でも、チームづくりでも、恋愛・家庭・近所づきあいでも役立つ。
「誰に、どんな理由で“ありがとう”を言う人か?」
その答えこそが、人の本質が最も正直ににじみ出る瞬間なのだ。
※ストーリーは川野さんの指導経験に基づき、個人の特定を防ぐため一部脚色の上、再構成しています







