10億ドル超を集めた
オデイシャス・プロジェクトの仕組み
プロジェクトは次のような活動を行っている。
1 世界で最もすばらしいチェンジメーカーたちに、今まで一度も夢見たことがない夢を見てほしいと呼びかける。真の意味で大胆なアイデアを生み出してほしい、と。何百万、さらには何億もの人にインパクトを与える可能性のあるアイデアや、地球規模で環境にインパクトを与えるアイデア、あるいは科学にとって、人類の生存と繁栄の長期的な展望にとって変容をもたらす可能性のあるアイデアを。ぞくぞくするほど刺激的なアイデアを。
2 さまざまなアイデアを詳細に検討して、実現、規模の拡大、そしてインパクト創出に至る道筋を真に示すものを探る。その中から最良のものを選び、実現可能な複数年のプランを作る支援をする。プランは成功の見込みがあり、かつ持続可能なものとする。
『利他はこうして伝染する――小さな1歩を大きなうねりに変え、優しさが活きる世界をつくる』(クリス・アンダーソン著、北村陽子訳、英治出版)
3 作成したプランを、可能な限り目につきやすく、関心を引きつける形で世界に提示し、協力した支援を呼びかける。オデイシャス・プロジェクトの発想は、こうして生まれる推進力を活かして、積極的な支援者のコミュニティをそれぞれの取り組みに生み出すことだ。支援者は資金のみならず、アイデアや時間、影響力を提供して、数年にわたってその取り組みをサポートする。
この3つのステップを合わせれば、大胆かつ資金提供可能なアイデアにワクワクする市場を作れるだろう、というのが私たちの仮説だった。
だが、本当にうまくいくのだろうか?
実は、私たちは今までにこのプロセスを6回行って、大胆だが慎重に検討されたいくつかのアイデアを、寄付者になる可能性のある人々のグループに提示しており、成功した提案はTEDで発表してきた。
結果はすばらしい。最初の年でさえ、私たちの予想をはるかに上回る1億ドル以上が提供された。プロセスを微調整していくにつれて、集まる額は増えた。
2020年には、パンデミックの困難にもかかわらず、16のさまざまなプロジェクトに5億ドル以上が集まった。そして2023年前半には、初めて10億ドルを突破した。







