それぞれの人がそれぞれの人生を送っている写真はイメージです Photo:PIXTA

「今のままでいいのか」と漠然とした不安を抱えながら日々を過ごしていないだろうか。流れに身を任せる生き方は気楽に見えて、実は心を蝕むこともある。人生の荒波を越えていくために、いまこそ必要なのは“人生の海図”とも言える「人生設計」だ。心理学者・根本橘夫氏が、その意義と効果を語る。※本稿は、根本橘夫『新版「自分には価値がない」の心理学』(朝日新書)の一部を抜粋・編集したものです。

主体的に生きていくためには
人生設計という海図が必須

 社会の荒波とか、人生の荒波などと、この世は波にたとえられる。

 波のまにまに揺られて生きるのではなく、主体的に生きていくためには、人生設計という海図が必要である。人生設計は、不安を希望に変え、潜在能力を引き出し、自己実現をもたらしてくれる魔法の杖でもある。

 人生設計に沿って自己実現していくことで、確固とした自己価値感が形成される。

 人生設計において目標を見定め、その実現を目指す生き方をしていると、生活が希望と充実の日々になる。

(1)人生という大海を航海する海図が与えられることで、浮草的な不安定感や将来の不安などの根底的なストレスから解放される。

(2)すぐには達成できないことでも、時間をかければ達成できるという見通しが得られるので、将来が希望に変わる。

(3)努力すべき事項と、流せばよい事項とが明確になるので、時間とエネルギーの有効な配分ができ、効率的に仕事ができる。

(4)自分が成長しつつあるという実感や、目標へと近づきつつあるという自己実現の喜びが体験できる。

(5)自分で自分の人生を作っているという実感が得られ、自分を大事に生きていると満足できる。