正常な眼圧でも発症する「緑内障」
欠損した視野は回復しない
日本眼科啓発会議のデータによると、日本人における高度視覚障害の原因疾患は緑内障が1位で、2位は網膜色素変性、3位は糖尿病網膜症と続く。

出所/障害者手帳発行数から推定される日本人における高度視覚障害の原因疾患(「40歳以上の人のためのアイフレイルガイド/日本眼科啓発会議」)
主な原因疾患について、症状や原因を順に解説する。
【緑内障】
罹患した人の16人に1人が40歳の時点で初期段階だといわれる疾患で、目と脳をつなぐ視神経に障害が起こり、徐々に視野が欠損していく進行性の病気だ。
「眼圧の高さが原因となることが多いのですが、正常な眼圧でも発症する場合があります。欠損した視野は回復することはなく、早期発見と早期治療が大切な病気です」
【網膜色素変性】
網膜の視細胞が変性する遺伝性の病気で、暗いところで見えにくくなったり、視野が狭くなったりする。
「暗いところでの物の見え方などに関係した働きをする杆体(かんたい)細胞に障害が出て起こることが多い病期です」
【糖尿病網膜症】
40代を越えると特に気をつけたい疾患で、血糖値が高い状態が続くことによって網膜に障害が起こる。
「血糖値が高い状態が続くと血管がダメージを受けます。これによって栄養や酸素が不足し、網膜に障害が起こります。視力が低下し、失明に至ることもあります」
【黄斑変性】
網膜の中心にある黄斑がダメージを受けて起こる病気。老化に伴って発生するものを加齢黄斑変性という。
「中央部が暗く見える、物が歪んで見える、ぼやけて見えるなどの症状が出ます。緑内障と同じく病状によっては視力や歪みの改善が乏しいこともあり、早期発見が重要な疾患です」
【脈絡網膜萎縮】
眼球の網膜と強膜(白目の部分)の間にある脈絡膜および網膜が薄くなり、機能しなくなる。
「強度近視が原因で起こることの多い疾患です。進行すると視力低下や視野欠損を引き起こし、失明に至る場合もあります。近視の進行を防ぐことが重要であるとされています」







