先に登場した養豚場経営者の李は、知人が外国人の不法滞在者を雇用していたことを話し、こう漏らした。
「EPSは安心だけれど、必要な時だけ手伝ってほしいこともある。韓国人に募集を出しても人は集まらないから、仕方なく外国人労働者に頼むことになってしまう。彼らは、韓国は賃金が高いからしばらく韓国で稼ぐと言っていたそうです」
「不法滞在者を取り締まるな!」
ニンニク栽培農家がまさかのデモ
信頼性の高いEPSはその分、業者にとって申請のハードルが上がる。即座に集めていつでも手放すことができる不法滞在の労働者は、違法ではあっても“都合がいい”。
そんな現実を物語るように、25年5月には、韓国南部の慶尚南道でニンニク栽培を営む農家らが道庁の前で記者会見を行い、ニュースとなった。彼らが訴えたのは「不法滞在者の集団取り締まりの留保」(「農民新聞」2025年5月16日)。
当局が不法滞在者を取り締まったことで、働き手が集まらないというのだ。ニンニクは6月の収穫期までの期間に集中して農作業を行わなければならない。通常20人ほどで行っていたが、取り締まりに遭い、働き手がいなくなってしまった。デモを行った農家の1人は、「不法滞在者を雇うしかない農家の現状を政府が無視している」とし、こう主張した。
「農作業の期間が短いニンニク農家の特性から季節勤労者制度を活用することは難しい。農協の人材仲介センターから来る人材にも限界がある。不法滞在者を援護するわけではないが、この農繁期に、思ってもいなかった取り締まりに遭って大きな損害を被るかもしれないと思うと、いても立ってもいられない」
より柔軟な雇用形態を選べるようにしてほしいと訴えていた。農協関係者は、ニュージーランドのように観光ビザで入国した外国人にも数週間など期間限定で就業できるような特別法を施行することを提案していた。
また、最近では、銀行口座を持てない不法滞在者たちが賃金を仮想通貨で受け取るようになり、一般の滞在者の間でも急速に広がっているという(「朝鮮日報」2025年5月16日)。







