いいねやフォロワー数が
現代の「報われポイント」に

 インターネットにおけるコミュニケーションと言えば、平成初期は「掲示板」によるコミュニケーションが主流だった。

 現在は「5ちゃんねる」という名称になったが、昔は「2ちゃんねる」という名前で有名だった巨大掲示板を思い出す人も多いだろう。

 西村博之(いまは「ひろゆき」という名前で呼んだほうがピンとくるだろうか)が1999年にスタートした「2ちゃんねる」は、利用者のアカウントが匿名であることが重要な点であった。

 当時からテキストサイトやブログで自分の文章を発表している人は多数いたが、コミュニケーションを中心としたサイトと言えば、最大手はやはり「2ちゃんねる」だっただろう。もはや「5ちゃんねる」という名前に変わってしまったことを、隔世の感で眺めていた人もいるのではないか。私のことである。

 しかし時代とともに、インターネットのコミュニケーションはSNSへと変遷する。

 日本では2008年から普及し始めたTwitter(現X)をはじめとして、SNSは現代のコミュニケーションツールの最大手となっている。Twitterの名前も変わってしまった。またしても隔世の感がある。

 SNSと掲示板の主な違いは何だろうか。

 それは、SNSでは投稿ごとに「いいね」の数が見えること、そしてアカウントに「フォロワー」という概念が登場することである。X、Instagram、そしてTikTok、YouTubeなど、令和のSNSはどれも数字が見える。

 フォロワー数、再生回数、いいね数……。コミュニケーションツールであるとともに、そのコミュニケーション量がつねに数字に換算されるところが令和のSNSの特徴だ。

 すると、「バズる」という言葉が生まれるようになる。閲覧や拡散など、投稿のコミュニケーション量が大幅に増えたことを指す言葉である。

 かくいう私も2019年(Twitter登場の約10年後である)に『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』(サンクチュアリ出版)なる本を出したのだが、このころには「バズる」という語彙はすでに書籍やテレビでも当たり前のように使われていた。

 ただコミュニケーションを取るだけではない。コミュニケーション量を増やせば増やすほど、「いいね」の数や「フォロワー」の数が見える。このように、数値化された「報われポイント」があるのが、SNSの特徴なのである。