つねに庶民側の立場で
発信を続けたひろゆき
さて、そんな掲示板の時代からSNSの時代へ変遷を遂げるなかで象徴的なのが西村博之である。先述した、「2ちゃんねる」の創設者だ。
2ちゃんねるやニコニコ動画の創設に関わったプログラマーであり実業家である彼は、現在はマスメディアやSNSでの振る舞いにおいて注目を集めている。YouTubeではいわゆる「切り抜き」と呼ばれる一部のショート動画が話題を集め、悩み相談やご意見番のようなコンテンツで人気を博する。
彼の特徴の1つは、テレビ出演したり自己啓発書が売れたり、芸能人やインフルエンサーとして売れたあとも、「庶民」の意見の代弁者であり続けるところである。
《「人手不足なのに働き控え」という長年の失策が自公過半数割れによって修正可能な稀有なタイミングです。実現には世論の後押しが必要なので、間抜けな反論を悉く潰してまわるのが庶民のおいらがやれる事だと思ってます。103万円の壁に反対する間抜けな政治家が他に居たら教えて下さい。(2024年11月5日、Xでの投稿)》
たとえば同じように実業家でインフルエンサーとなった堀江貴文のXでの投稿と比較すると、2020年から2024年までの投稿で「庶民」という言葉を使用した回数は、堀江が5回。一方で西村は69回にも及ぶ(もちろん投稿の大部分は、西村が自分のことを「庶民」と呼ぶのではなく、一般論として「金持ち」〈西村のXでの投稿で使用される原文ママ〉と対比し「庶民」と呼んでいるが、しばしばそれは自称である)。
西村は自身の立場を一貫して「庶民」の側に置こうとしている。それは彼の一人称が一貫して「おいら」であること――『ちびまる子ちゃん』の山田のような「幼い」少年キャラクターの一人称に使用されるイメージがある――と結び付けられる。
ちなみに西村は冷笑派と評されることもあるが、「庶民派」であることを崩さない彼の姿勢を無視すると、私たちは彼が若い世代の一部から支持される理由を見誤る。







