「工業社会におけるホワイトカラーの遊びの文化は、20世紀にすでに完成されてしまっています。でも、21世紀の新しいホワイトカラー層、または知的層の遊び方って、まだ十分には確立されていないんですよ。

 そこに関しては、日本から何か面白いことを実験する価値があるということを、堀江さんは本質的にわかっていて、自身でいろいろ実験しているように見えるんです」

 さすがの見立てだと思う。ひとつ加えさせてもらうなら、僕の多動力のスタイルは、ホワイトカラーやフリーランサーや実業家のみに、向けたものではない。すべての人たちへの提唱だ。

 多動力的に生きることが、これからのスタンダードであり、古くからの教育洗脳、ひいては「貯金信仰」を解くのに、とても効果があるのだということを、身をもって伝えていきたい。

「目標スコアはいくつですか?」
その未来思考が楽しみを削る

 話は教育洗脳に戻るが、その弊害として、「貯金信仰」のほかに、「目標主義」も挙げられる。世の中の自己啓発書の類をざっと流し見ても、どれもこれも判を押したように「夢」だ「目標」だと、流されやすい大衆を誤った方向に導く言葉を述べ連ねている。

 ゴール設定主義と言ってもいい。ゴールや目標を各々に設定して、そのラインに達するために努力していくことこそが、成長の証しであると説かれてきた。根っこでは、目標貯金額は◎◎万円!貯められたら起業!などの「貯金信仰」とも、つながっている。

 しかし、繰り返し言わせてもらう。未来を考えることに意味はない。未来思考はいらない不安を生むだけで、行動が制限される。

 ゴールに向かって、頑張ること自体は悪くない。だが、頭で考えたゴールは、ほとんどの場合、それ自体が目的となってしまう。設定ラインを越えなければ失敗という、ネガティブなマインドを生み、それ以外の選択や可能性が、見えなくなりがちだ。

 僕がSNSで、ゴルフに行きますと呟くと、たいてい「目標スコアはいくつですか?」と聞かれる。本気で鬱陶しい。「そんなものは設定しない!」と答えるだけだ。