外食バトルロイヤルPhoto:PIXTA

「いきなり!ステーキ」などを展開するペッパーフードサービスは2025年12月24日、東京・神田に次世代型店舗を出店した。だがリニューアルしたという割には屋号も同じで、メニューも大きくは変わっていない。では一体、どのような点で“次世代型”なのか。連載『外食バトルロイヤル』の本稿では、ペッパーフードサービスが第二章開幕と豪語する店舗の内実と会社の内部改革に迫った。(ダイヤモンド編集部 大日結貴)

「いきなり!ステーキ」復活なるか
“第二幕”へ次世代型店舗を出店

「いきなり!ステーキ」の第二章が幕を開ける。

 2025年12月24日、「いきなり!ステーキ」を運営するペッパーフードサービスは、東京・神田に次世代型店舗をオープンした。

先日オープンした「いきなり!ステーキ神田北口店」先日オープンした「いきなり!ステーキ神田北口店」 Photo by Yuiki Okusa

 いきなり!ステーキは13年12月に、東京・銀座に第1号店をオープンさせた。一人でも気軽に入店でき、しかも立ち食いという目新しさが受け大ヒット。開店当初は、注文後に肉の塊から希望のグラムを切り分けてもらう「オーダーカット」もインパクト絶大で、外食業界の話題をさらった。

 ところが、新型コロナウイルス禍をきっかけに客足が途絶えると、業績は一気に悪化。ペッパーフードサービスの18年12月期は約38億円の営業利益を稼いだが、翌期は7100万円の営業赤字に転落し、営業キャッシュフローも6億円のマイナスとなった。

 また、現預金約24億円に対し、1年以内の返済予定額は32億円に上るなど、資金繰りは綱渡り状態に陥り、20年3月には倒産のリスクを示す「継続企業の前提に関する注記(GC注記)」が付くところまで追い詰められていた。

 これを受けて、運営会社であるペッパーフードサービスは、20年7月に中堅投資ファンドのJ-STARに当時約520店舗展開していたステーキ業態「ペッパーランチ」を売却。さらに同年10月には同じく投資ファンドのアドバンテッジパートナーズと事業提携を行い、生き残りのために聖域なく構造改革を実行してきた。

 だが一向に業績は上向かず。19年12月期から23年12月期まで5期連続で営業赤字に陥り、24年7月から25年3月まで、一度も既存店売上高が前年同月を超えない苦しい状況が続いていた。

 そんな中で、24年12月期についに黒字化を果たした。GC注記も取れ、25年8月には既存店客数は実に22カ月ぶりに前年超えを果たした。

 もっとも、5年に及ぶ低迷は、同社に大きな傷を残した。いきなり!ステーキの店舗数はピーク時の3分の1となる170店舗台にまで減少。ペッパーフードサービスの一瀬健作社長は「一般の方には“終わった業態”と思われているだろう」と自虐的に分析しているほどだ。

 25年12月24日にオープンさせた“次世代型店舗”は、いきなり!ステーキの新たな船出の象徴だ。だが、ステーキを比較的安価に提供し、客数をなるべく多く取り込むことで利益を出すという基本構造自体は変わっていない。客単価も2100円程度と、これまでとほぼ同水準。屋号も変わっていない。

 では、どこが“次世代”なのだろうか。次ページで、新業態開発をする上で進めた新店舗の戦略とペッパーフードサービスのビジネスモデル改革を解説する。