外食バトルロイヤルPhoto:PIXTA

「スシロー」を運営するFOOD&LIFE COMPANIES(F&LC)が米国への再上陸を掲げてから約1年。具体的な上陸地点と時期を定めたことが、ダイヤモンド編集部の取材で分かった。その場所と具体的な時期とは?連載『外食バトルロイヤル』の本稿では、詳細を明らかにするとともに、スシローが置かれている状況や選定した土地を解説する。(ダイヤモンド編集部 大日結貴)

「スシロー」ブランドでの悲願
再上陸の場所と時期が決定

 スシローを運営するF&LCは2025年9月期に売上高が前期比19%増の約4295億円、最終利益同59%増の246億円に達するなど、業績は絶好調。国内のみならず、東南アジアや中国事業で高い利益を実現している。ところが、米国だけは思うように進んでいなかった。

 実はF&LCは、15年に米国へ進出したものの、翌年に撤退。それ以降、米国への再進出は積年の課題だった。24年11月に山本雅啓社長が就任した際には、25年中に米国へ「スシロー」ブランドでの出店を目指していたが、出店場所の選定やトランプ関税などが原因で計画は思うように進まず、実現できなかった。現在は24年4月にオープンした寿司居酒屋「杉玉(現地での店名は「Sakabayashi」)」をボストンに1店舗構えるのみである。

 スシローが米国事業に手間取る中、ライバルたちは続々と進出。「くら寿司」を展開するくら寿司は米NASDAQに19年8月に上場を果たし、すでに83店舗を全米で展開している。また、「はま寿司」を運営するゼンショーホールディングスも18年10月に「Advanced Fresh Concepts Corp」を買収するなど、約8000店舗の持ち帰り寿司チェーンを運営。中堅回転寿司チェーンの「すし銚子丸」を展開する銚子丸も米国進出を進めている。

 そんな中で、スシローがいよいよ米国再上陸へ向けて、具体的に動きだしていることが分かった。

 次ページでは、スシローの再上陸地となる出店場所や開店時期、スシローの米国出店の歴史を明らかにする。加えて選ばれた場所の難しさを考察していく。