まず睡眠についてですが、ラストスパートをかけなければならないからといって睡眠時間を削ることは絶対に避けてください。体調管理こそが、受験生にとって最も重要な仕事です。寒くなってきたら睡眠時間を増やすといった調整も必要かもしれません。

 そして食事。もちろん栄養バランスには留意すべきですが、単に体に良いものというだけでなく、例えば本人のテンションが上がるもの(好物、甘いもの、ちょっと豪華なものなど)を食事に取り入れる工夫も子どものやる気に大いに影響するものです。

 もう一つは、勉強の準備です。この時期のお子さんは冬期講習のラストスパートで疲弊しています。

 例えば、自宅での学習時間のために、保護者が今日やるべきテキストのページをあらかじめ開いておくなど、教材の準備をして「座ってこれをやるだけ」という状態にしておけば、勉強の準備に費やすエネルギーと時間を大幅に削減することができます。

 もちろん、本来は自分でやるべきことなのですが、この時期は特別期間だと捉え、保護者が子どもの手間を省くのも一手です。

着る服、飲む水も本番と同じ
入試を想定した予行練習をする

 できるだけ入試本番と同じ環境をつくり、経験させることも重要です。

 鉛筆など入試で使う持ち物を全て本番と同じにする、塾内での定期テストを受ける時の洋服も本番と同じものを着せる、飲む水、食べるのど飴、朝食の内容まで、ありとあらゆる要素を本番と同じにする予行練習を行いましょう。

 これは、経験値の少ないお子さんにとって、入試本番を「未知のもの」にしないためにとても重要なことです。例えば、当日、新しいパーカーを着て行ったら、袖が少し長かったばかりに、消しゴムに当たって弾き飛ばしてしまった、といったようなほんの些細なトラブルでも子どもは大きく動揺します。

 また、1月入試も、2月に入試を控える受験生にとっては良い予行練習となり得ます。

 もちろん合否は重要ですが、それ以上に本番と同じ緊張感を経験し、入試当日の雰囲気を知ることには計り知れない価値があります。また、1月入試は、保護者自身の最適な励まし、送迎の体制(満員電車なのか車か、誰が付き添うかなど)を見極める貴重な場です。

 普段はお父さん子だけれど、パパが付き添った日は実力が出しきれず、ママが付き添った日は合格した(もちろん逆のケースも然りです)ということもあったりします。