「私一人で100試合を戦ってきたわけではありません。選手たちやスタッフを含めて、チームが一丸となって目の前の一戦一戦を戦っていく気持ちでここまで来られましたし、正直、自分のなかで特に感慨はありません。本当にいろいろな人に支えられ、そして祝っていただいた。感謝の思いでいっぱいです」
国立競技場でのボリビア戦勝利後に
選手たちからのサプライズ
祝福のなかには、選手たちがボリビア戦のキックオフ前から考えていたものがあった。
たとえば2点目を奪い、試合の大勢を決めた後半26分。選手たちに手招きされた森保監督は、日本のベンチ前にできた歓喜の輪の中心に加わって祝福された。3-0で勝利した試合後には背番号「100」が記された特製ユニフォームと花束を贈られ、さらに冷たい水を全身にかけられるサプライズもあった。
国立競技場のピッチで生まれた微笑ましいシーンを、キャプテンの遠藤航がうれしそうに振り返る。
「試合前から『点を取ったら監督のところへいこうか』とみんなで話していたので。前半の1点目はベンチが(逆の)自陣にあってちょっといきづらかったので、2点目のときに、という感じですね」
遠藤もまた森保ジャパンで不動のボランチとして活躍。第2次政権で吉田からキャプテンを引き継ぎ、いまや森保監督や選手全員の合言葉になっている「ワールドカップ優勝」を最初に唱えた。
もちろん「100試合」は通過点であり、戦いはこれから本格化する。堂安はこう語っていた。
「ヨーロッパ予選もほぼ終わっているので、来年3月はいい試合ができるんじゃないですか」
言葉通りにJFAは今月10日、各国代表チームが次に活動できる来年3月31日に、日本がイングランド代表との国際親善試合に臨むと発表した。過去の対戦成績は日本の1分け2敗。岡田武史監督に率いられた日本が1-2で逆転負けした2010年5月以来、実に16年ぶりの対戦となる。
イギリスメディアの報道によれば、両国の対戦は早い段階から進められていた。ワールドカップのグループステージで同組になった国同士の国際親善試合は認められないため、今月6日の組み合わせ抽選会をへて晴れて正式発表された。会場は約9万人収容のロンドンの聖地ウェンブリー・スタジアムとなる。
最新のFIFAランキングでアジア最上位の18位の日本に対して、イングランドはスペイン、アルゼンチン、フランスに次ぐ4位。優勝経験もある強豪との対戦へ、森保監督はこんな言葉を残している。
「日頃からヨーロッパのトップレベルのリーグでプレーしている日本代表選手たちのこれまでの活躍があってこそ、こういったクオリティの高い相手とのアウェイでの対戦が実現するものだと感じています。選手たちのこれまでの活躍にも敬意を示すとともに、さらにチーム力の積み上げを目指します」
謙虚さと気配りを常に忘れない森保流はワールドカップイヤーを迎え、試合数を「100」からさらに積み上げて、クライマックスへと足を踏み入れるフェーズに入っても変わらない。目標のワールドカップ優勝が現実のものになったとき、森保ジャパンにおける戦いは「110」を大きく上回っている。







