後藤社長が絶賛した入試問題の一部
イギリス料理はなぜ不味い?――ある有名進学校の出題をなぜ過去問のプロが絶賛するのか。中学受験の最前線を知る専門家が、難関校のユニークな出題傾向や、受験生への愛に溢れた感動の良問を徹底解説。「入試問題はラスボスではない」という言葉の真意、そして“相性の良い志望校”を見極める意外な極意とは? 単なる対策の枠を超え、入試問題をつくる先生方の“心”に言及する驚きの過去問分析をお届けします。(聞き手・文/教育アドバイザー 鳥居りんこ)
イギリスの料理はなぜ不味い?
240字以内で説明しなさい
――中学入試では、学校ごとに求められる生徒像が違うのでしょうか?
違うと思いますね。御三家だと、開成の場合は論理的思考力に加えて、より深く広い知識を求めている感じがします。それに対して武蔵や麻布はもっと柔軟な発想を重視しているように見えます。武蔵は理科の※お土産問題といって、試験中に実物を渡して、その場で実験させたり、考えさせたりするのが伝統です。
※武蔵中学校「お土産問題」=理科の入試で毎年出題されるユニークな問題。試験中に実物が配布され、それを観察・考察して解答する形式で、試験終了後に持ち帰ることができるため「お土産問題」と呼ばれる。過去にはネジや画鋲、みかんなどが配布された。2025年度の中学入試では、旧制武蔵高校の初回入試と同様に「葉っぱの観察問題」が出題された。
思考力を問う問題が最近のトレンドです。しかし、一口に思考力と言っても、本当に自由度の高い思考力を試す問題もあれば、与えられた条件の中で相違点や共通点を見つけさせて、記述させる問題もある……。本当にもう学校によっていろいろです。
学校によってある程度のカラーがあるのは確かなんですが、4科目で見てると結構バラバラ。4教科あるので、それがすべて同じ方向を向くというのも難しいところではあります。ですから、なかなか型にはめて「学校ごとの特徴」を論じるのは難しいですね。







