人生でいちばん後悔するお金の使い方とは何か? 人生を変える一冊として話題を集めるベストセラー『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』は、ムダ遣いや浪費よりも、はるかに深い後悔を生む使い方を示している。本書に示された一つのシンプルなグラフが、その残酷な現実を浮き彫りにする。(構成:ダイヤモンド社書籍編集局)

老後に後悔する「お金の使い方」――ムダ遣いよりも深い後悔を生むワースト1Photo: Adobe Stock

お金の価値は加齢とともに低下する

「人生で後悔するお金の使い方は何か?」と聞かれれば、多くの人は「ムダ遣い」や「浪費」を思い浮かべるかもしれない。

だが、世界的ベストセラー『DIE WITH ZERO』が示す答えは、少し意外だ。それは――「使うタイミングを間違えること」である。

本書には、次のような一文とグラフが紹介されている。

赤ん坊、20代、老人という3点を横軸(年齢)として、金で買える人生経験を楽しむ能力を縦軸にグラフで表せば、真ん中が膨れあがったベル型の曲線が描かれることになる。
老後に後悔する「お金の使い方」――ムダ遣いよりも深い後悔を生むワースト1

赤ん坊はお金を使えない。高齢になると、体力や健康、自由度が下がる。結果として、お金で買える人生経験をもっとも深く味わえるのは、その中間の年代になる。

著者はさらに、こう続ける。

仮に、生涯を通じて毎年同じ金額(たとえば10万ドル)を自由に使えるとすれば、年齢によってその金から引き出せる喜びの大きさは変わることになる。つまり、金の価値は年齢とともに変化する。しかも、かなり予測可能な範囲で。

ここで突きつけられるのは、残酷な現実だ。お金の額は同じでも、年齢によって価値は変わってくる。20代で使う10万円と、70代で使う10万円。どちらも「10万円」だが、そこから引き出せる体験の幅、記憶の濃さ、人生への影響は大きく異なる。

それでも私たちは、こう考えがちだ。「若いうちは我慢して、年を取ってからゆっくり使えばいい」と。

だが、先ほどの曲線を思い浮かべればわかる。お金は将来に持ち越せても、そのお金でできたはずの経験は持ち越せない。

旅行、挑戦、学び、人との出会い。それらには「できる年齢」「できる体力」「できる環境」が確実に存在する。

だからこそ、『DIE WITH ZERO』が警鐘を鳴らすのは、浪費ではない。「使うべき時に使わないこと」だ。

老後への備えとともに、「いましかできない経験」にもお金を使っていく。このバランスを取ることこそが、将来の後悔を分ける分岐点なのかもしれない。

(本原稿は、『DIE WITH ZERO』(ビル・パーキンス著・児島修訳)に関連した書き下ろし記事です)