相手に響くように叱るには
伝えるセンスが必要になる

 しかし「一度も怒らない」は至難の業。リーダーポジションの方や僕のような指導者、お子さんのいる親御さんなどには、怒ることが必要なシチュエーションがしばしば訪れますよね。

 かつて僕は怒りっぽい性格だったので、頭ごなしに大声で叱っていました。けれど、場の空気は悪くなるし生徒は萎縮するばかり。けして人気講師ではありませんでした。

 それもそのはず、「大きな声を出せば人は従う」と勘違いしていたのです。恥ずかしいですよね。

 大きな音を鳴らす目覚まし時計があっても、本人に起きる気がないと無意味なように、いくら大声で叱っても、相手に「受けとる気持ち」がないと響くはずがないのですから。

 そんな醜態から、怒りかた、叱りかたにもセンスが必要だと気づき、アンガーマネジメントの本を読み込み、さんまさんのメソッドも実践。自分流の「怒りとの付き合いかた」を構築していったのです。

NSCのカリスマ講師が伝授する
叱るときの5つのポイント

 僕が他者を叱るときに注意しているポイントは以下の5つです。

(1)時間を置かない
時間をあけると怒りが増幅するのですぐに伝えます。

(2)1対1で
大勢の前で叱ると「吊るし上げ」になるだけ。叱られる側も集団の前だと心も態度も硬化します。

(3)遡(さかのぼ)らない
注意するのは「いまやったことだけ」にします。「君って、前も同じことやっていたよね?」や「前から思ってたんだけどさぁ」などと時間を遡って叱らないようにしています。

(4)私情を入れない
例えば、もし部下や子供が約束を守らなかったとき「約束をやぶったから叱る」はいいけど「約束をやぶられた自分が恥ずかしいから叱る」は私情。あなたの世間体を着火剤にしてはいけません。

(5)怒るときは許すとき
そもそも怒る行為は「二度と怒らなくてもいい状況をつくるため」のアクションのはず。

 しかし、怒ったあとでも機嫌が悪い人、陰口を言い続ける人、怒った相手にレッテルを貼る人、自分の怒りを「お前もそう思わない?」とわざわざシェアしてくる人。周りにそんな大人がいませんか?その人は「次の怒りへの準備運動」をしているだけ。きっとまたキレちゃうし火種を探しはじめるのです。