ある日、漫才中にセリフを嚙んでしまった生徒が、自分のミスを相方に詫びたあと「どうしても滑舌が良くならないんだよ、どうしたらいい?」と教室内の生徒に相談し、一同でアドバイス合戦がはじまったのです。

 僕は目を細めて聞き入り、その緊急ミーティングの終了を待ったあとで「例えば『もしかしたら自分って性格が悪いかも?』と考えはじめた人は、それに気づいた時点で成長しているんだよね。滑舌も同じで、気づいた時点で成長しているし、これから絶対に良くなると思うよ」と伝えました。

 あのときの彼の笑顔は忘れられませんし実際に成長していきました。自分のミスを他者に語れる人が出てくる集団は連帯し強くなっていくのです。

空振ってもスベっても気にせず
数をこなすことが成功への近道

 失敗を恐れないチームをつくるには、リーダーが成員たちに「ミスを恐れることが、もっとも大きなミスになる」というマインドセットをうながしていくことも大切です。

 ホームランを打てる強打者ほど空振りしたって平気ですし、売れている芸人さんほどスベっても平然としています。彼らに共通している心持ちは「たかが1回のミスは、単なる成功へのフラグ(前ぶれ)でしょ?」と思えるメンタリティがあるからです。

 そのとおりですよね。10回ためして9回ミスる人は、100回ためすと10回は成功する人でもあるのですから。

 多くの若手は10回トライして9回ミスをすると「自分には才能がないんじゃないか?この仕事に向いてないんじゃないか?」という溝にはまっていきます。しかし、確率の上では100回トライすると10回は成功するし、社会ではこの10回の成功があれば飛躍のチャンスは十分あります。

 路上で何十曲も歌っていたシンガーソングライターが1曲をきっかけに大ブレイクしたり、毎日YouTubeに動画をアップしてきた人が1本をきっかけに人気インフルエンサーになったりと、実例はごろごろありますよね。

 私たちリーダーは、ミスをしてもいい空間づくりとミスを重ねることに怖気づかない人材の育成が肝心なのですね。