避けられない「自己研鑽」が
若手医師にとっての負担に
そして、先輩医師はもちろんのこと看護師や患者からもまだ一人前とは認められない、いわば見習いとして成長していくこの初期研修の2年間は、対価を伴う労働として給料が保証されています。
とはいえ医療の進歩を考えれば、見習い修行とも言うべき2年間の初期研修を終えても医師の世界では半人前と言われています。そのため2021年からこの初期研修(前期2年)の先に専攻医制度(後期研修3年)がスタートしました。
当然、この後期研修も初期研修と同じく対価が伴う労働として給料が保証されています。自らの専門(例えば内科医)を選択した上で、3年間の後期研修を終えてから専門医(内科)の試験を受けて合格することによって一人前の内科専門医として認められます。
先の高島医師はこの後期研修としての専攻医制度が始まったばかりの2期生で、この専攻医として後期研修中、その年1目であったということになります。
医師免許取得後2年間の初期研修(有給、つまり対価が伴う)を必ず受けることになったのもわずか20年前のことなのです。さらに、この専攻医(後期研修)制度は始まったばかりで、そこに「医師の働き方改革」が重なったということになります。
専門医になるために必要とされる学会準備や研究など「自己研鑽」は、この後期研修中の必須内容です。これを「労働」として捉えなければおかしなことになります。しかも、この自己研鑽が結果的に長時間となっていたわけです。高島医師の事案を理解するためにはこうした背景を捉えておく必要があります。
このように専門職の人材育成は、社会の複雑化に伴って長期化してきています。医学に加えて、法学・薬学など専門職人材の育成には、大学4年に加えて大学院2年の計6年間という養成期間が目立ちます。







