医師国家試験を受験するには
医学部入学が最初の関門に

 医師になるためには、医師国家試験を受けて合格する必要があることは、皆さんもご存じでしょう。医師国家試験の受験資格は、学校教育法に基づく大学において医学の正規課程を修めて卒業することが基本です。医師になるためには、この医学部入学が最難関となっています。

 こうした育成方法は、専門職人材の育成という視点からは「閉鎖系」に分類されます。これと対極となる「開放系」が、教育領域の国家資格(教員免許)で、教職課程というカリキュラムがあれば、どこの大学でも取得できます。

 医学の正規課程は、各大学で多様に編成可能であり、医学部進学課程(2年)と医学部(4年)の2段階に分かれる大学と、6年一貫の医学教育(筑波大学が最初)という大学がありました。そのため大学によっては医学部3年からの編入学といった道があり、いったん大学(医学部以外)を卒業してから入学する学生が少なからずいました。

 2001年、日本ではようやく医学部卒業時までに身につけるべき知識・技能・態度の目標とされる医学教育モデルのコア・カリキュラムが導入されました。各大学は、カリキュラムの3分の2をこのコア・カリキュラムの履修にあて、残りを各大学独自のカリキュラムとすることになりました。つまり、「医学の正規課程」でカリキュラムの共通性が高められたわけです。

 同時に、大学の教養課程の縛り(*3)がなくなったため、それまでの1、2年生を医学部進学課程とした大学が6年一貫の医学教育へと転換していきます。日本の医学部全体としては、6年一貫の医学教育が主流となって「閉鎖系」の育成方法という方向性を強めたことになります。

*3 1991年の大学設置基準の大綱化により、一般教育に関する規程は廃止され、大学設置基準から「一般教育」という呼称が消えた。それまでの大学設置基準には、一般教育として人文・社会・自然を各12単位(通年で4科目)、合計で36単位設置することが記されていた(吉田、2023)