実習のなかで体験しながら
「休むこと」を学んでいく
それと同時に、国家資格としては「業務独占」となる仕事に実習として参加するための関門として認定試験が導入されました。これはいわば運転免許制度における「仮免許」に喩えることができます。そして、その先にある国家資格取得後に実務についてからの初期研修の整備も進められてきました。
『「休むと迷惑」という呪縛 学校は休み方を教えない』(保坂 亨、平凡社)拡大画像表示
すでに述べた通り、21世紀に入ってから医学領域では臨床研修制度の必修化(2004年)を頂点として、専門職人材の養成及び育成について大胆な制度改革が進められてきました。
具体的には、「Student Doctor」資格の導入から専攻医制度(後期臨床研修制度)の発足です。薬学領域においても同様に、病院・薬局における実務実習(各11週間)が必修とされ、参加型実習への転換が図られました。こうした中で、従来の「学校」から「社会」への移行において、養成段階の実習から育成段階の初期研修の連続化、さらにはその一体化を目指す方向性が生まれていると考えることができます(橋本、2019)。
私は、本書『「休むと迷惑」という呪縛 学校は休み方を教えない』を通して学校教育で「休むこと」を学ぶという提案をしています。したがって、専門職の人材育成が長期化・連続化してきたことをふまえると、「休むこと」を学ぶ期間は「学校」から「社会」に出る(つまり卒業ないし修了)までではなく、養成段階の実習から育成段階の初期研修を含めて、その職業に適した「休み方」を学ぶ(あるいは身につける)までの長期間になります。
そして、何よりも職業生活としてはその始まりであり、対価を伴う労働となっている初期研修中において、その職業(職場)では具体的な権利としてどのように「休むこと」ができるのかを理解し、実際に有給休暇取得(あるいは病気休暇取得)といった形で「休むこと」を体験しながら学ぶことが必要でしょう。







