医師免許を取得しても一人前ではない
そこから2年以上の「初期研修」へ
2005年からは、医学部5、6年生が行う病棟実習などと称されてきた卒業前の実習に進むための関門が設置されます。それまでの受動的な実習から、自主積極的学習型の実習への改革に伴うもので、全国共通の2つの試験が導入されました。
1つは実習開始に必要な知識に関する試験(CBT=Computer Based Testing)、もう1つが技能・態度を評価する試験(Objective Structured Clinical Examination)です。これに合格すると、Student Doctor=医師ではないが患者に接触できる認定資格を得て実習への参加が可能となります。
この実習を含めて6年の医学部の課程を修了(卒業)することによって、医師国家試験の受験資格が得られます。そして、それに合格してはじめて医師免許が与えられます。
なお、この国家資格は、有資格者以外が携わることを禁じられている業務を独占的に行うことができる「業務独占」という種類のものです(*4)。この医師としての治療行為は、訓練を積んだ医師にだけ認められたものであるがゆえに、実習参加に対しても高いハードルが課されたわけです。
しかし、医師免許を取得すれば一人前の医師として働けるわけではありません。そこから臨床研修制度がスタートしますが、本稿ではこれを他の専門領域を含めて共通するものとして「初期研修」と呼ぶことにします。医師の場合、1968年にそれまでのインターン制度(対価を伴わない無給)が廃止されて、2年以上の臨床研修制度が創設されました。
この臨床研修制度は、研修医として医療現場で実地訓練を積むことに他なりません。当初、設置が「努力義務」であったこの制度は、ようやく2004年以降「必修化」されました。
*4 国家資格は、法律で設けられている規制の種類により、「業務独占資格」「名称独占資格」「設置義務資格」がある(文部科学省ホームページ「国家資格の概要について」)。







