気苦労は絶えないが
エージェント業はおいしい仕事
「確定申告の時期は徹夜続きでした」と話すのは、エージェントの会社で5年間役員を務めたAさん。50代の女性で、現在はその会社を退職している。
「うちでは200人くらい、インドの方を入国させました。1人紹介すると25万円、牧場さんからいただきます。それは一時金なので、会社の利益として大きいのは月々いただく管理料ですね。うちは1人につき1万5000円ですけど、『確定申告の手続きもやってほしい』という牧場もあって、そうしたところは月額1人、3万円でした」
確定申告には牧場が出す「給料明細」だけでは足りず、インド人ホースマンが母国の家族にたしかに金を振り込んだという「送金明細」の提出が必要となる。また、送金した家族に収入がないことを証明する書類をインドで発行してもらわなければ、扶養控除の対象とならない。
「インドの人たち、扶養家族の数もたくさんつけてくるんですよ。その書類に私が『妻』『父』『母』って日本語で書き込んでいくんです。『子ども1』『子ども2』『兄』『姉』とか。7、8人つけてくる人もいます。期限までに終わるんだろうか、って毎年胃が痛くなりました」
牧場主とのつきあいでは、気苦労が絶えなかったという。
ある牧場主が、インド人ホースマンの紹介先を探していたAさんを、知り合いの牧場につなげてくれた。無事に契約となり、Aさんが礼を言うと……「マージン、半分寄こせ」。
毎月の管理費1万5000円の半額、7500円をずっと払わされた。気に食わないインド人をすぐクビにする堪え性のない社長もいて、さんざん振り回されたとも話す。
それでもAさんは、エージェント業に参入したのは「正解だった」と明言する。
「こう言うと言葉が悪いですけど、おいしい仕事です。6割は利益になりますから」
自分のことはすべて
1人でするホースマンも
ホースマンの、エージェントに対する思いも様々だ。
「エージェントはいらないです」
きっぱりとそう言ったのは、ラジャスタン出身の29歳のホースマンだ。
2018年に来日したときはサム氏がエージェントだったが、2023年、浦河から新ひだか町の牧場に移る際、「自分のことはすべて自分でやる」とサム氏に告げた。サム氏も「いいよ」と受諾した。







