
年間100万人単位での人口減少時代が迫る日本では、新卒採用における「売り手(学生)優位」が定着し、年を追うごとに企業側の採用活動の早期化が進んでいる。一方、学生側では複数の内定(内々定)を得ながら、1社に決めきれず、就職活動が長期化するケースが見られる。さらに最近は、企業側、学生側とも生成AIの活用といった新たな動きも出てきた。例年、独自のアンケート調査に基づき、『学生の就職活動総括』『企業の採用活動総括』を公表している株式会社ダイヤモンド・ヒューマンリソースの高村太朗さん(同社・経営企画室長)へのインタビューを通して、企業の新卒採用市場の傾向と課題を探ってみる。(ダイヤモンド社 人材開発編集部、撮影/菅沢健治)
学生の就職活動(企業の採用活動)のさらなる早期化
企業の採用活動(学生の就職活動)の早期化の動きは、昨年度(25卒)から、さらに前倒しの傾向にある。株式会社ダイヤモンド・ヒューマンリソースが発表した『2026卒 採用・就職活動の総括』(*1)によれば、「最初に内定をもらった時期」が3年生(=学部3年生、以降同じ)の「2月以前」という割合が、文系で昨年より1.5倍ほどの36.1%、理系についても5ポイントほど増えて41.2%になった。まさに、なし崩し的な早期化という印象を受けるが、実態はどうなのだろう?
*1 株式会社ダイヤモンド・ヒューマンリソース「2026卒 採用・就職活動の総括」
高村 確かに、企業による学生への内定(内々定)出しは早まっていますが、学生がエントリーする時期や企業が面接を行う時期はあまり変わっていません。夏のインターンシップ類に参加した学生に対する優遇策として早期選考が行われ、内定(内々定)が早く出るようになっているのです。
産学協議会の定義では、採用に直結するインターンシップ類の「タイプ3」については、(開催が)5日間以上であることや終了後のフィードバックなど一定の要件が定められていますが、そうした枠組みとは関係なく、企業側が動く傾向もあります。
もともと、外資系企業や、国内系の企業でも業種によっては早めの内定(内々定)出しが見られました。近年、“予定した新卒学生の採用”が難しくなるなかで、他社に「採用負け」したくないという動きが広がってきているのでしょう。企業によっては、インターンシップ類に応募する際、エントリーシートに類似した情報の提供を求めており、そのうえで、学生との接触を通して、選考を進めています。

高村太朗 Taro TAKAMURA
株式会社ダイヤモンド・ヒューマンリソース
経営企画室 室長
1998年に新卒入社後、法人営業として、首都圏と大阪で大手企業を中心に新卒採用支援や人材開発支援を担当。「ダイヤモンド就活ナビ」編集長、営業企画室長を経て、現職。「ダイヤモンド就職人気企業ランキング」「採用・就職活動の総括」をはじめ、新卒採用マーケットに関する調査・分析に携わっている。








