「なんで、怒ってるんだろう…」
配偶者、恋人、親子…なんだかイライラしているけれど、理由も聞きづらい…と悩んだことはないだろうか。「問いのプロフェッショナル」の2人はこの問題にどう対処しているのか?
ベストセラー『「なぜ」と聞かない質問術』の著者・中田豊一さんと『冒険する組織のつくりかた』著者である安斎勇樹さんが、それぞれの知見から「職場のコミュニケーションの悩み」を解決へ導く。(構成協力/高関進・構成/ダイヤモンド社・榛村光哲)
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「なんで怒ってるの?」という質問は地雷
中田豊一(以下、中田) うーん、この相談については、「質問のプロ」として回答できることはありませんね。ただ、私の苦い経験なども踏まえてアドバイスするなら、「我慢できるところまではじっと耐える」ということくらいでしょうか。
『「なぜ」と聞かない質問術』(中田豊一・著)
ただ、ずっと我慢しているのはよくありません。相手の態度がこれ以上耐えられないというところまで来たら、私は「ごめん、ちょっと話がしたいんだけど」と正面から向き合うようにしています。このときも、小手先のやりとりはしないほうがいいですね。とにかく正面からいく。
……じつは最近もあったんですが、妻も正面から聞かれることを望んでいるのがわかったんです。「ぶつかったときは、あなたのほうから思っていることを素直に言って」と言われました。
こうしたことを5年か10年に一度くらいのペースで繰り返しているわけです。それが夫婦というものではないでしょうか、としか言いようがありません(笑)。
安斎勇樹(以下、安斎) 相談内容から察するに、これは「夫に原因がある」と思われている状態なんでしょうね。それにもかかわらず、夫のほうが「なんで怒ってんの?」と聞くのは、中田さんの言葉をお借りすれば、悪い意味での「なぜ質問」の典型ですよね。
相手からしてみれば、「おまえが原因だろ!」と思うわけで、この質問自体が「火に油」になってしまっている。聞くときのトーンによっては、相手を軽んじているようなニュアンスも加わるでしょうから、まさに「ブチギレ」案件になるでしょうね。
相手の不機嫌を察したら自分の言動を振り返ってみる
安斎 こういうときは、やっぱり安易に「なんで怒ってんの?」と問いかけないほうがいいと思います。
『冒険する組織のつくりかた』(安斎勇樹・著)
「妻にとって何かモヤモヤする、怒るまでには至らない『プチモヤ』の火種がどこかにあったはずだ」という前提の下で、自分の過去の言動を徹底的にリフレクションして分析し、仮説を立てるべきです。その中で最も確度の高そうな仮説を握りしめて、「もしかしてあれがいやだった?」と聞いて、すぐ謝ってしまうのがいいのではないでしょうか。
ちなみにぼくは、その「プチモヤ」を察知した段階で、すぐに仮説立案に入るようにして、リスクヘッジしているタイプですね。
中田 だいたい、原因はこちらの態度や物言いですよね。答えを相手に丸投げするなよ、ってことなんです。
夫婦というのは、だいたい同じパターンの衝突を繰り返してるんです。だから、できることなら「以前に妻を怒らせた理由」をメモしておいたほうがいい。パターンはせいぜい3つとか5つとかなので、それを覚えておけば未然に防げることもあると思います。
(本記事は本稿は、『「なぜ」と聞かない質問術』の著者・中田豊一さんと、『冒険する組織のつくりかた』の著者・安斎勇樹さんによる特別な対談記事です)









