スーパー新戦争 5重苦で大淘汰秒読み#3Photo by Yasuo Katatae

ディスカウントストアのドン・キホーテや総合スーパーのアピタなどを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)は、食品強化型業態のロビン・フッドを2026年4月から、東海エリアで出店を開始すると発表した。お手並み拝見とばかりに、同社の様子を遠巻きに眺めていたスーパー業界関係者で、戦略の一端が明らかになったことで、早くも警戒感が高まっている。特集『スーパー新戦争』の#3では、PPIHの鈴木康介COOや迎え撃つスーパー各社への取材を基に、今後の都市型スーパーの戦線を探った。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)

食品強化型ロビン・フッド
首都圏進出は27年から

 パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)がかねてより開発していた、食品強化型業態の一端が明らかになった。

 業態名は「驚楽の殿堂 ロビン・フッド」。2026年4月から東海エリアで、傘下の総合スーパーであるピアゴを業態転換し5店舗をオープン。27年からは首都圏に進出する。

 標準となる売り場面積は約500坪で、2500坪を超えるようなMEGAドン・キホーテよりもはるかに小さい。店舗周辺の住民が毎日来店して、日々の食材や総菜、日用品などを購入してもらうことを想定している。

 PPIHの鈴木康介COOは、「ロビン・フッドはあくまで食品強化型のドンキ」と強調する。売り場では約60%が生鮮や総菜などの食品をそろえるが、約40%は衣料品やエンタメ関連の商品、日用品など、ドン・キホーテならではの非食品を扱う。

 大手スーパー各社は近年、郊外の大型店の出店ではなく、都市部での中・小型店舗の出店に力を入れている。インフレで食品価格や人件費、金利など、あらゆるコストが上昇しているものの、郊外では人口減少が続いており、成長するためには人口が密集している都市部へ出店することが、最も有効な施策なのだ。実際、最も肥沃な市場である1都3県、とりわけ23区内などの都心部は「どの小売業も商売したいエリア」(大手スーパー首脳)だ。

 そんな中で、PPIHが生鮮食品や総菜を強化したロビン・フッドを27年から首都圏で出店し、35年までに200~300店舗体制、売上高6000億円を目指すことをぶち上げたことは、スーパー業界関係者に少なからず衝撃を与えた。

 すでに都心部では、コンビニエンスストアと同サイズである50坪程度の店舗で総菜や生鮮食品を扱うイオングループのまいばすけっとや、九州が地盤のトライアルホールディングス(HD)が展開するトライアルGOなどが出店を拡大。食品小売市場のシェア争いと、出店用地の獲得競争がスタートしている。そこにロビン・フッドが27年に参戦するとなれば、スーパーやコンビニ、食品を取り扱うドラッグストアなど、業態の垣根を越えた競争が一層激しくなることは間違いない。

 次ページでは、PPIHの鈴木COOへの取材から見えてきた、ロビン・フッドの首都圏シェア獲得戦略を解説する。また、本格化する都市型の中・小型スーパー決戦に向けて、大手スーパー各社がどのようにロビン・フッドを迎え撃つことになるのか、戦況を占った。