まず、メンタルが弱い→どうしてそうなったかの話を聞いていると、そのお子さんが「叱られる」「ダメ出しをされる」など厳しく指導される経験が非常に少なく、そのような体験に免疫が無いことがよく分かります。
家庭でも時には、「厳しさ」や「苦手なことへの挑戦」を取り入れるべきです。外には、厳しさがあふれています。学校にはひとりくらい「ダメ出しをしてくる嫌なヤツ」がいるでしょう。社会に出ると、厳しく叱る上司や理不尽な顧客にも出会うはずです。免疫をつくるという意味でも、子ども時代の適度な厳しさは非常に重要です。
圧倒的な結果を残してきたトップアスリートからも「厳しさの価値」を学ぶことができます。単に「好きなこと」だけをして、誰からも厳しさを突きつけられることなくトップに就いた者など、ひとりとして存在しません。
人は「居心地の良い場所(コンフォートゾーン)」にいる限り、劇的な成長は望めません。これは精神論ではなく、科学的な事実です。心理学者アンダース・エリクソン博士の「意図的な練習(Deliberate Practice)」という理論をご存じでしょうか。
エリクソン博士は、あらゆる分野のエキスパートを研究し、彼らが熟達に至るプロセスを分析しました。その結果、単に繰り返し練習するだけでは不十分であり、「今の自分の能力をわずかに超える課題」に意識的に取り組み続けることが不可欠であると結論付けています。つまり、すでにできることや得意なことを楽しんで繰り返すだけでは、お子さんの能力は頭打ちになるのです。
アスリートがなぜ、吐き気がするようなインターバルトレーニングや、地味で退屈な基礎練習に歯を食いしばって取り組むのか。それは、その「不快な領域」にこそ、進化の鍵があることを知っているからです。
これを現代の家庭教育に置き換えてみましょう。「嫌ならやらなくていいよ」「得意なことだけやろう」というアプローチは、一見物分かりの良い親のように見えますが、実は子どもから「限界を超える経験」と、それに伴う「脳と心の成長機会」を奪っていることにもなりかねません。
では、親はどのようにして厳しさを取り入れればよいのでしょうか。







